「エヌビディア ガイダンスが予想を下回り時間外で下落」で書きました第1四半期決算の続報です。
上記記事にも書きました通り、エヌビディアはロシアでの事業縮小と中国でのコロナ関連の製造停止による影響を理由に、7月期の業績見通しを引き下げました。
エヌビディアは3月にロシアでの全製品の販売停止を発表していました。一方、中国におけるコロナ関連の製造停止の問題は、シスコ・システムズ(CSCO)やアップル(AAPL)といった他の企業の最近の決算報告でも言及されていました。
エヌビディアのCFOであるコレット・クレス氏は、ロシアへの出荷を終了することで、同国のゲーム、ハイエンドグラフィックス、データセンターの顧客に対する最終市場の販売に影響を与えたとインタビューで述べています。同氏はまた、中国問題は供給と需要の両方に影響し、一部の地域では経済が事実上停止しているとも述べています。
クレス氏は、これらの要因がなければ、7月期のガイダンスはウォール街の予測を上回っていただろうと語っています。
エヌビディアによると、データセンター関連の売上は37億5000万ドルで、前年同期比83%増、前四半期比15%増となり、今や同社の単一最大のエンドマーケットとなっているとのこと。クレス氏は、アマゾン(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)などの大手クラウドサービスプロバイダーからの強い需要により、このセグメントの売上は過去最高だったと述べ、7月期にはさらに高い売上を見込んでいます。
ゲーム分野の売上は36億2,000万ドルで、31%増加し、前四半期比では6%増加しました。プロフェッショナル・ビジュアライゼーション部門の売上は6億2200万ドルで、前年同期比67%増、前四半期比では3%減となりました。
自動車・ロボット部門の売上高は1億3800万ドルで、前年同期比10%減ですが、第4四半期比では10%増となりました。
また、暗号通貨マイニングプロセッサの売上は、前年同期が1億5500万ドルだったのに対し、当四半期は名目上の売上にとどまったとのことです。クレス氏は、暗号マイニングに使用されるグラフィックプロセッサの数量は明確ではないものの、最近の暗号通貨価格の下落に伴い、売上が低迷した可能性があると述べています。
エヌビディアはまた、エントリーレベルのノートブックコンピュータに使用されるプロセッサの需要がこの四半期に減少したことも報告しています。
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは「厳しいマクロ環境の中で、データセンターとゲーム分野で記録的な業績を達成した」と声明の中で第1四半期を総括。
今後については、今年後半に発売予定の同社の有望な新商品群を強調し、強力なトレンドがエヌビディアの長期的な拡大を促進し続けるだろうと楽観視してこう述べています。
「GPU、CPU、DPU、ロボティクス・プロセッサーなどの新製品を下半期に投入し、当社の歴史上最大の新製品ラッシュに向けて準備を進めています。私たちの新しいチップとシステムは、AI、グラフィックス、オムニバス、自動運転車、ロボット工学、そしてこれらの技術が影響を与える多くの産業を大きく発展させるでしょう」。
エヌビディアはまた、同社の取締役会が自社株買いプログラムを150億ドルに拡大することを承認したと発表しました。この四半期に同社は20億ドルを買い戻し、配当を含む株主への還元は21億ドルとなっています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA