デックスコム(DXCM)は、糖尿病で苦しむ人々の生活に革命を起こしてきました。同社は、2006年に最初のリアルタイム連続血糖測定(CGM)システムを導入し、患者のためのケアの標準を引き上げました。
同社の堅調な業績は、株価の急上昇に反映されています。過去1年間で、株価はおよそ38%上昇しました。過去5年間では482%、過去10年間では4,550%という驚異的な上昇率を記録しています。
そんなデックスコムが先週の金曜日である3月25日、会社史上初の株式分割を行うことを発表しました。デックスコムの取締役会は、1株を4株にする株式分割を承認。5月19日に開催される同社の年次総会で株主の支持を得られれば、この分割により同社の修正基本定款が修正され、株式総数は2億株から8億株に増加します。
5月19日時点の株主名簿に記載された株主は、所有する株式1株につき3株の追加株式を受け取ることになります。デックスコムは現在、1株あたり約505ドルで取引されており、分割後の投資家は1株あたり約126ドルの価値のある4株を保有することになります。分割調整後の株式は、6月10日に取引を開始する予定です。
投資家は、追加で同社の株式を受け取るために、他の行動を起こす必要はありません。証券会社がすべての手続きを行うので、投資家の口座に追加で株が入るだけです。ただし、6月10日にすぐに発行されるとは限りません。証券会社によってタイムテーブルが若干異なるため、分割後の新株が投資家の口座に反映されるまでには数日かかることがあります。
ウォール街では、株式分割は株式の需要を高めるという考え方が一般的です。これは投資家心理の問題で、1銘柄に500ドル近く出すことをためらう潜在的な買い手であっても、100ドル近辺の値段に下がればその株式を手に入れようとする可能性があるというものです。しかし、歴史的に見ると、株式分割の長期的な影響は、企業の実際の業績により大きく左右されます。投資家にとって良いニュースは、デックスコムの業績が印象的であるということです。
2021年、デックスコムは前年比27%増の24億5000万ドルの売上を上げました。同時に、調整後の営業利益は2億6,600万ドルで、前年なみでした。この結果は、同社が今月初めに食品医薬品局から画期的機器指定を受けた病院向けCGMシステムの発売に向けて多額の投資を行ったにもかかわらず、もたらされたものです。
デックスコムは、今後も成長を続ける態勢を整えているようです。3月中旬には、最新のCGM装置であるデックスコム G7がCEマークを取得し、欧州連合内での販売が可能になりました。今後、数週間以内に欧州でデックスコム G7を発売する予定です。
米国疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)によると、全世界で4億1,500万人以上が糖尿病を患っていると報告されています。この数は、2040年までに5億人を超えると予想されています。
デックスコムは、CGM技術のパイオニアであり、それを育むことでグローバルメディカルリーダーとなりました。同社のデバイスから恩恵を受ける可能性のある患者の市場が大きく成長していることを考えると、デックスコムは正に「買い」の銘柄となっています。
*過去記事はこちら「デックスコム DXCM」