アマゾン 株価が上昇を続けられる4つの理由

eコマースとクラウドコンピューティングの大手アマゾン(AMZN)の株価は、3月8日を底に20%以上上昇しています。その間のS&P500指数の上昇率が8%であるのに比べても、その上昇ぶりは顕著です。

しかし、ウォール街の一部には、最近の上昇を考慮しても、アマゾンには過小評価されている重要なファンダメンタルズがあるという強気な意見があります。

エバコア ISI の Mark Mahaney 氏率いるアナリストは、3月24日にアマゾンの格付けを「アウトパフォーム」に戻し、目標株価を4,300ドル(30%以上の上昇)に設定しました。アマゾンは、投資銀行アドバイザリーグループのメガキャップのロングホールドトップの座を維持しています。

Mahaney 氏とそのチームは、アマゾンが過小評価されている4つの要素に注目しています。

1つ目は「出荷弾力性」。これは、出荷時間の短縮が消費者需要の拡大につながるという関係を意味します。アマゾンは最近、物流能力に多額の投資を行っており、同社は2020年と2021年に、それまでの10年間よりも多くの物流能力を拡大したと、エバコアチームは述べています。

「これは、同社の最近のフルフィルメントと物流能力の拡大/投資による出荷弾力性のメリットを十分に考慮していない可能性がある」とアナリストたちは見ています。

二つ目は、市場がアマゾンのブランド広告の機会を過小評価している可能性が高いことです。最新の四半期決算で、同社は初めて広告収入を公表し、YouTubeよりも大きな広告事業を持っていることを明らかにしました。アマゾンは昨年、312億ドルの広告売上を記録し、2020年から32%の伸びを記録しました。

アマゾンは、グーグルの親会社アルファベット(GOOGL)やメタプラットフォームズ(FB)のようなプライバシー関連の広告の逆風に直面していないと、エバコアは述べています。NFLやIMDbなどの新しいブランド広告の取り組みが、広告売上の新たな伸びを開拓するのに役立つと見ています。

さらに3つ目として、オンライン小売の「最後のフロンティア」とも言われるアマゾンの食料品配達市場への参入が、非常に魅力的だとMahaney 氏たちは見ています。

アマゾンが食料品小売業者または食料品配達プラットフォームのトップ企業の1つと消費者から見られていることを示すデータを引用し、「アマゾンがこのカテゴリーで真の牽引力を獲得している新たな証拠がある」と述べ、アマゾンの新しい店舗「アマゾンフレッシュ」とその「ウォークアウト」技術は、「食料品業界の流れを変えるものになる可能性がある」とも評しています。

そして最後に、Amazon Web Servicesの売上高に対する株価の倍率を10倍、Amazon Marketing Servicesの調整後利益に対する企業価値の倍率を20倍とした評価フレームワークを使用すると、企業価値は1兆5600億ドルとなることを強調しています。この数字は、アマゾンの企業価値の大部分を占めるものであり、グループの主力事業を除いてもこれだけの価値があると言うことです。

エバコアのチームは、「世界最大で、最も急成長し、利益を上げている小売業者を無料で購入できることをご存知ですか」と、このことを表現しています。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

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