2030年までに5倍増が期待される革新的な成長株2つ

最近、テクノロジー株が叩かれていますが、投資はマラソンであり、短距離走ではありません。短期的な株式市場の変動に目を向けず、長期的な視点に立つことが、平均以上の投資リターンを得るためのほぼ確実な方法であることは、歴史が証明しています。

テクノロジーを中心としたナスダック100指数は今年に入ってから15%下落していますが、過去10年間では404%上昇しています。そしてその前の10年間では、金融危機があったにもかかわらず、84%も上昇しています。

金利上昇や地政学的緊張がポートフォリオに与える影響に不安を感じている投資家は、この10年の終わりに視線を向けることでその不安を和らげることができます。革新的なビジネスモデルと高い成長率により、その頃までに株価が5倍になる可能性のある銘柄をモトリーフールがピックアップしていますので、ご紹介します。

ユニティ・ソフトウェア(U)

ゲーム、映画、バーチャルリアリティなど、新しいデジタル経済の中核をなす分野では、コンテンツを開発するクリエイターがユニティ・ソフトウェアを利用するケースが増えてきています。実際、2021年中に毎月39億人以上がユニティで作られたコンテンツを消費しています。これは地球上の人口のほぼ半分に相当します。

同社のフラッグシップ・プラットフォームであるUnity Proは、クリエイター向けのエンドツーエンドのゲーム開発・管理ツールです。Unity Proはゲームを作るための技術的なツールを提供するだけでなく、教育やアドバイス、マネタイズを支援する広告ソリューションも提供しています。

ゲーム業界全体の昨年の市場規模は推定1,730億ドルで、2027年には81%増の3,140億ドルに達する可能性があります。しかし、それはメタバースにおけるユニティの潜在的な機会のほんの一部に過ぎません。

ブルームバーグ・インテリジェンスは、2024年までに仮想世界の価値を年間8,000億ドル、年平均成長率を13.1%とし、現在の10年間の終わりまでに1兆6,000億ドル以上になると評価しています。ユニティの現在の時価総額がわずか230億ドルであることと照らし合わせて考えてみてください。

数学的に言えば、2030年までに投資額を5倍にするためには、現在から2030年までの間に、毎年23%ずつ売上を伸ばす必要があります(現在の価格対売上比率が一定であると仮定して)。過去3年間、ユニティはこの目標を上回ってきました。

2018年に3億8,000万ドルだった売上は2021年に11億ドルに膨れ上がっており、CAGR(年平均成長率)42%を記録しています。

これは、ユニティの売上に年間10万ドル以上貢献している最高レベルの顧客層が、2021年には2020年比33%増の1,052人に急増したことが要因になっています。

現在の市場において、ユニティ・ソフトウェアほどテクノロジーの未来に触れることのできる銘柄は少ないでしょう。同社はまだ利益を上げておらず、これは大きなリスクですが、それは主に売上の60%以上を研究開発に費やしているためです。ユニティが規模を拡大すれば、その費用を削減し、利益をあげることは十分に可能です。

*過去記事「ユニティ・ソフトウェアの5年後は?

シー・リミテッド(SE)

シンガポールに本社を置くシー・リミテッドは、デジタル経済に関して三拍子揃った企業です。同社は、アジア最大級のeコマースプラットフォームに加え、モバイルゲーム開発会社ガレナを筆頭に、デジタルエンターテイメント部門を成功裏に運営しています。また、同社は現在、小規模ながら急成長しているデジタル金融サービスにも挑戦しています。

ガレナは、モバイルゲーム「フリーファイア」の開発を担当し、過去3年間、世界で最もダウンロードされたタイトルであり続けています。2021年には、東南アジアとラテンアメリカで最も売上高の多いゲームとしての地位も維持し、シー・リミテッドのデジタルエンターテインメント部門の2021年通年の売上高43億ドル、2020年比114%増に貢献しました。

モバイルが世界的なゲーム売上の大部分を占めるようになったため、ガレナはオンライン・エンゲージメントが減速しても、パンデミックの脅威の緩和による経済の再開により、素晴らしいポジションにいます。

消費者間取引と企業間取引のハイブリッドアプリ「ショッピー」が牽引する同社のeコマース部門は、年間売上高が136%増の51億ドルに達しました。2021年のショッピングカテゴリでは、ダウンロード数で世界トップのアプリとなっています。

しかし、売上高こそ4億6,900万ドルに止まったものの、672%もの成長を達成したデジタル金融サービス部門に、ゲーム事業もeコマース事業も圧倒されてしまいました。

会社全体としては、2021年だけでなく、特に2018年以降、史上初めて(非GAAPベースの)年間売上高10億ドルを超えてから、急ピッチで拡大しています。2030年までに株価を5倍に急騰させるために必要な年率23%の成長率を確実に上回っています。

2018年に10億ドルだった売上は2021年に100億ドルに膨れ上がっており、CAGR(年平均成長率)112%を記録しています。

とは言え、これからも同じペースで成長を期待することは無理があります。ただ、同社の最大のセグメントであるeコマースの世界市場は2022年に5兆5000億ドルと推定されており、現在時価総額が500億ドルあまりであるシー・リミテッドには十分な成長の余地があります。

同社は、規模の拡大に伴い、マーケティングなどのラインアイテムに積極的な投資を行っているため、現在も赤字が続いています。しかし、売上高が増加していることから、少なくとも短期的には賢明な投資を実践していると言えます。

シー・リミテッドは単一の会社では提供が困難なデジタル経済の多様な断面を提供している稀有な会社であり、投資家に大きなリターンをもたらす可能性を十分に秘めています。

*過去記事はこちら シー・リミテッド

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