エアビーアンドビーがアクセンチュアとスポティファイに続き、ロシアから撤退

エアビーアンドビー(ABNB)は3月3日の夜、ロシアとベラルーシでの事業を停止すると発表しました。プーチン大統領のウクライナ侵攻を受けてロシアでの事業を停止した欧米企業としては、フォルクスワーゲン、アクセンチュア、スポティファイに続くことになります。

エアビーアンドビーの最高経営責任者であるブライアン・チェスキー氏は、3日の夜、ツイートを通じて、同社のロシアでの業務停止を発表しました。

ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンは2日、カルーガとニジニ・ノヴゴロドにある生産拠点を含め、ロシアでの自動車生産を追って通知するまで停止することを発表しました。同社はまた、ロシアへの自動車輸出を直ちに一時停止することも明らかにしています。

コンサルティング会社のアクセンチュア(ACN)もロシアでの事業を中止し、3日のプレスリリースで「ウクライナの人々とその自由に対する不法で恐ろしい攻撃」の終結を呼びかけていま。同社は、2,300人のロシア人従業員への支援を行うとしています。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、スポティファイ(SPOT)は3日にロシア事務所を無期限に閉鎖し、ロシア国営メディアが作成したコンテンツを制限したそうです。同社は今週初めには、国際市場でロシアの国営放送「RT」と「スプートニク」のコンテンツを削除しています。ただ、ロシア国内ではまだサービスを利用できるそうです。

モーニング・コンサルトが週末に発表した調査によると、約75%のアメリカ人が企業がロシアとのビジネス関係を断ち、製品の販売を停止することを支持すると回答しています。

LPLファイナンシャルの株式ストラテジスト、ジェフ・ブッフビンダー氏は、ロシア市場は多くの企業にとってそれほど重要ではないことを考えると、米国を主要市場とする企業にとって、提携を切ることは賢明な行動かもしれない、と書いています。

「ロシアとアメリカの貿易額はごくわずか」であり、米国はロシアから「ほとんど何も」輸入しておらず、S&P500企業がロシアで生み出す売上の割合はさらに低くなる可能性があると同氏は計算しています。

ただ、エネルギー分野や欧州企業にはより大きな影響があるかもしれない、とブッフビンダー氏は付け加えています。

そのリストは広大で、ビッグテックやエンターテインメントから石油や金融サービスまで、多くの大企業が含まれています。

テクノロジー

アップル ( AAPL ) は3月1日、ロシアでの製品販売を一時停止し、アプリのダウンロードを制限したことを確認しました。同日、スナップはロシア、ベラルーシ、ウクライナでのすべての広告を停止しましたが、アプリは “重要なコミュニケーションツール “であるため、引き続き運営するとしています。

ソーシャルメディアプラットフォームはスポティファイと同様のアプローチをとっており、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、メタ(FB)は2月28日にロシアの国営メディアアカウントRTとスプートニクへのアクセスも制限すると発表しました。

短編動画アプリとして人気のTikTokも同様のアプローチを取る予定で、ツイッター(TWTR) はロシア国家に関連する情報源にリンクするツイートには、そのリーチを制限するラベルを付けるようになったそうです。

自動車

フォルクスワーゲンのほか、トヨタは2日、サンクトペテルブルク工場での生産を3月4日から停止し、追って通知があるまでロシアへの車両輸出を停止すると発表しました。同社は2月24日以降、ウクライナでの活動をすべて停止していました。

フォード(F)、BMW、ゼネラルモーターズ(GM)も操業を停止しています。

石油

エクソン(XOM)は、日本、インド、ロシアの企業連合に代わり、サハリン1プロジェクトの運営を中止する手続きを開始すると発表しました。エクソンはまた、ロシアでの新規開発への投資も停止すると発表しています。

先週、シェル(SHEL)はロシアのエネルギー大手ガスプロムとの合弁事業と、ノルドストリーム2パイプラインプロジェクトへの資金提供から撤退すると発表しました。この発表は、BP(BP)がロシアのエネルギー企業ロスネフチの株式を売却すると発表した翌日に行われました。ノルウェーのエクイノール (EQNR)も、ロシアの合弁事業から撤退を開始すると発表しています。

メディアとエンターテイメント

ディズニー(DIS)は、近日公開のピクサー映画 “Turning Red (邦題:私ときどきレッサーパンダ)”を含むロシアでの劇場用映画の公開を一時停止しています。AT&T(T)のワーナーメディアも3月4日に公開予定だった “The Batman(ザ・バットマン) “の公開を延期しています。

ソニー・ピクチャーズは2月28日遅く、マーベルの最新作 “Morbius (モービウス)”を含む劇場公開作品を一時停止すると発表しました。

小売

スウェーデンの家具メーカー、イケアは3月3日、ロシアでの生産活動、および輸出入を一時停止したと発表しました。また、ウクライナへの人道支援として2,000万ユーロを拠出することを明らかにしています。

T.J.Maxxの親会社TJX ( TJX ) は、ロシアの小売チェーン、ファミリアの株式保有を売却すると発表し、ロシアやウクライナでの売上はなくなったとしました。TJXのファミリアへの出資額は1億8,600万ドルでした。同社の上級役員であるDoug Mizzi氏とScott Goldenberg氏の2人がファミリアの取締役を辞任したと、証券取引委員会に提出した文書で発表しています。

H&Mグループは2日に、ロシアでの販売を一時的に停止し、顧客と同僚の安全のためにウクライナの店舗を閉鎖したと発表しました。

ロシアにおけるナイキ(NKE)のアプリとウェブサイトでの購入は、同社がロシアの購入者への商品配送を保証できないことを考慮し、利用できなくなったと同社はロシアのウェブサイトで発表しています。

金融サービス

先週、ビザ(V)は「適用される制裁を確実に遵守するために迅速な行動をとっており、いかなる追加制裁にも応じる用意がある」と述べました。

マスターカード(MA)は、複数の金融機関をマスターカード決済ネットワークからブロックしたと発表しました。

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