テラドック・ヘルス(TDOC)は2月22日にその2021年第4四半期と通年の業績を報告。今年も記録的な年となりました。しかし、その株価は2021年初頭の高値からまだ約75%も下落しています。
*「テラドック 堅調だった第4四半期決算」
テラドックのビジネスとその株価パフォーマンスの間には、明らかに大きな断絶があります。この乖離は、同社に関する3つの大きな誤解に基づくものだとモトリーフールが指摘していますので、ご紹介します。
会員数の伸び悩みが成長の足を引っ張る
テラドックの急落の背景には、会員数の伸びが鈍化していることが大きな要因となっています。同社の米国内の有料会員数は昨年、わずか3%しか増加しませんでした。そして、テラドックは、2022年の会員数の伸びを1%から5%と予測しています。
この伸び悩みが心配されていますが、実は警戒する必要はありません。なぜなら、テラドックは会員1人当たりの売上がこれまでよりずっと増えているからです。2021年、同社の会員1人当たりの米国内平均売上は52%と急激に増加しました。
さらに、同社には、会員1人当たりの売上を高めるチャンスがもっとあります。例えば、テラドックCEOのジェイソン・ゴレビッチ氏は第4四半期の電話会議で、同社のメンタルヘルスサービスが 「他のテラドックのサービスに対するゲートウェイのような役割を果たす」ことを指摘しています。
同氏は、メンタルヘルスサービスと他のテラドックのサービスを最低1つ利用する会員は、メンタルヘルスサービスのみを利用する会員に比べて、平均で20%から60%高い売上を上げると述べています。
会員数が伸び悩んでいても、テラドックには大きな成長機会があるはずです。同社は、既存の会員基盤の中に750億ドルの未開拓市場があると推定しています。
テラドックの運命はCOVID-19と結びついている
テラドックについては、さらに大きな誤解があります。それは、「COVID-19」が同社の命運を握っているというものです。
パンデミックの結果、テレヘルスの導入が急増しました。これは、バーチャル・ケア・プロバイダーのトップとしてテラドックに有利に働いたことは間違いありません。しかし、テラドックはCOVID-19の助けを借りなくても繁栄することができます。
ゴレビッチCEOは第4四半期の電話会議で、「(パンデミックのために)バーチャル訪問の自己負担を免除していたプラン設計のほとんどは、それらの訪問に自己負担を課すことに戻した」と述べています。
しかし、こうした変化はテラドックの見通しにあまり影響を与えないそうです。むしろ、「今後、追い風が吹くだけ」と見ていることを主張しました。同氏は、米国議会でバーチャルケアへの支援と償還を拡大する取り組みが進められていることをその理由のひとつにあげています。
テラドックは非常にリスクの高い高価な株である
テラドックに関する最も大きな誤解は、非常にリスクが高く、高価な株式であると見られていることです。
過去1年間のテラドックの急激な売りは、株式のダイナミクスを大きく変化させました。現在、同社の株価は、過去12カ月の売上高の5倍強で取引されています。同社は今年、25%から30%の売上成長を見込んでおり、この点から見てテラドック の売上高倍率は魅力的に見えます。
確かにテラドックはまだ儲かっていません。しかし、そのボトムラインは間違いなく正しい方向に向かっており、同社はすでにプラスのフリー・キャッシュ・フローを生み出しています。
テラドックがハイリスクで割高な株ではない最も説得力のある理由は、その市場機会とその機会を生かすためのポジションにあると言えます。同社の市場規模は、米国内だけでも2,600億ドルを超えます。
バーチャル・ケアは費用対効果が高く、便利なので、支払い側と患者の双方にとって魅力的です。テラドックは、最も広範なサービスと地理的な広がりを持つ、この業界の明確なリーダーとしての地位を確立しています。
テラドックの時価総額は100億ドル程度です。そのアドレサブル可能な市場と比べて、その額はまだまだ小さいものです。
*過去記事はこちら テラドック TDOC