メタ 割安に見えても、今や巨大なリスクの集合体

メタ・プラットフォームズ(FB)と名前を替えたフェイスブックを取り巻く環境は2月2日の四半期決算発表以降一変しました。
*「メタ 予想を下回る減益決算で20%超下落

決算を発表してから24時間以内に、時価総額の4分の1以上、約2,500億ドルを失いました。これは、1日の企業価値の損失としては、米国史上最大のものです。

そして、その価値の破壊はまだ終わっていないかもしれません。これは、フェイスブックにとって、これまで同社を取り巻いてきたプライバシーに関するスキャンダルや政治的論争などの問題とは次元が異なります。今回は、ビジネスそのものに問題があるとされているからです。

メタは第1四半期の見通しを発表しましたが、それによると、同社のソーシャルメディア・アプリケーションの利用が減速していることと、広告売上の動向が問題になっていることが明らかになりました。

これらの問題を解決するには、複数の四半期、または数年かかる可能性があると思われます。同社がメタバースに軸足を移し、実績のない技術に大きな賭けをしている間に、修復を行うことを強いられることになります。

ハイテク大手の決算発表が終了して明らかになったことは、メタの問題は独自のものであり、業界全体の低迷を示すものではなかったということです。

Googleの親会社であるアルファベット(GOOGL)は、Google検索やYouTubeの広告スペースに対する需要に支えられ、好調な業績を上げました。

また、メタの1日後には、会社の規模は小さいながらもライバルであるスナップ(SNAP)とピンタレスト(PINS)がいずれも予想を上回る業績をあげたことを発表、スナップは同社史上初の利益を計上したことを報告して投資家を驚かせました。

そして、金曜日には、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が初めて広告事業の数字を公表した決算を発表し、同事業が32%の成長を記録したことを発表して、1週間が終わりました。

これらの報道を受けて、2月4日のハイテク株は反発。ナスダック総合株価は2%上昇しましたが、メタの株価は横ばいでした。

買いが入らなかったのは、メタが決算で深刻な問題を提起したことを反映しています。第1四半期の売上高は270億ドルから290億ドルで、前年同期比で3%から11%の増加を見込んでいます。

これは、1年前の48%の成長から急激に減速することになります。メタは、同社のプラットフォームで生成される広告インプレッション数と広告価格への圧力の両方に対する「逆風」が業績に影響すると述べています。

この予測は、いろいろな論争があっても確実な成長に慣れてきたフェイスブックの投資家にとって衝撃的なものでした。

メタは現在、複数の問題に直面しています。すなわち、同社の中核となるソーシャルメディアアプリの利用率の低下、好調だった前年との厳しい収益比較、労働力や製品の不足に直面している広告主による支出の減少、中国に拠点を置くバイトダンスが所有する短編動画アプリTikTokとの競争の激化などです。

メタが言及した広告インプレッション数の減少は衝撃的なものでした。同社によると、中核事業であるフェイスブックの1日あたりの平均ユーザー数は、12月期には前3カ月と比べて100万人減少しました。これは過去に例のないことです。

この減速は、2年間の厳しいパンデミック規制の後、人々がより多くの時間を家の外で過ごしたことを反映している可能性があります。また、それに加えて、人々がソーシャルメディアに少し飽きてきて、プラットフォームの利用を減らしているのかもしれません。

決算後に行われた投資家との電話会議で、メタはTikTokとの競争について繰り返し言及しました。メタは、フェイスブックのフィードにプッシュされたリールという競合サービスでTikTokを追いかけています。しかし、フェイスブックがTikTokの人気に追いつくには、時間がかかりそうですし、それが可能かどうかも不確定です。

一方で、この問題はメタの収益を圧迫しています。

インプレッション面では、人々の時間をめぐる競争の激化と、メタのアプリ内のエンゲージメントがリールのような動画面にシフトしていることの両方から、引き続き逆風が吹くと予想されます。

言い換えれば、TikTokとの競争により、フェイスブックはユーザーをプラットフォームの収益性の低い部分に追いやらざるを得なくなっているのです。

一方、広告収入については、メタは、アップル(AAPL)がiOSデバイス上で消費者の行動を追跡する広告主の能力を制限する厳しい新ルールを採用したことに引き続き対処しています。

この変更は1年前にはまだ実施されていませんでしたので、第1四半期には再びその影響を受けることになります。メタは、「プラットフォームや規制の変更による広告ターゲティングおよび測定の逆風がやや強まることが予想されます」と述べています。

同社はこれまで、広告が購買やその他の消費者の行動を誘発するかどうかを知る上で、広告ターゲティングに影響を与えるアップルの変更に対して、回避策を講じることができると自信を示してきました。しかし、メタは現在、アップルの変更によって今年の売上が100億ドル減少すると述べ、近い将来の解決策について自信を失っているようです。

フェイスブックにとって最も気がかりなのは、理論的にはアップルの変更による同様の減速に悩まされるはずのライバルであるスナップやピンタレストが、今回の決算発表で同じ問題を報告しなかったことです。

暴落の後、メタの株価はS&P500の19.3倍に対して20.3倍の昔であればディスカウントと見られた価格で取引されています。

また、メタは積極的に自社株を買い戻しており、過去2四半期で330億ドルの買い戻しを行っています。これらの購入はタイミングが悪いように見えますが、買い戻しはメタの取締役会が株式を安いと考えていることを示唆しています。しかし、だからといって、これ以上安くならないという意味ではありません。

メタのリスクは増大しており、それはもはやフェイスブックのレガシービジネスに限ったことではありません。

同社はメタバースの構築に積極的に投資しており、今年の資本支出は昨年の192億ドルから290億ドルから340億ドルになると予想されています。

この計画がうまくいくかどうかは、誰にもわかりません。仮想現実のヘッドセットを装着して、架空の世界でコンサートやパーティー、会議に参加したいと思う人がどれだけいるでしょうか。

メタバースは、CEOであるマーク・ザッカーバーグの最大の賭けであり、それによって会社のリスクプロファイルが急速に変化し、安い株価であっても不安を感じさせるものとなっています。

メタのユーザーベースは巨大で、月間アクティブユーザー数は36億人、地球の人口の半分近くにもなります。しかし、成長は鈍化しており、広告事業は問題を抱え、メタバースは初期段階にあります。

メタはいまや巨大なリスクの集合体となってしまった観があります。

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