アマゾン 独自のエコシステムで成長する広告事業に注目

2月3日に第4四半期決算で初めて明らかになったアマゾンの広告事業の実態。その反響が続いています。*「アマゾン YouTubeを上回る規模の広告ビジネスを展開

アマゾンの昨年の広告収入は312億ドルで、2020年から32%の伸びを記録しました。技術アナリストのベネディクト・エヴァンス氏によると、これは世界の新聞業界全体の年間広告売上高を上回るものです。アマゾンの決算では、第4四半期だけで97億ドルの広告売上があり、前年比33%増となっています。

このグループは現在、グーグルの親会社であるアルファベット(GOOGL)が所有する「YouTube」よりも大きな広告事業を展開しています。

アルファベットの今週の発表によると、YouTubeの四半期の広告収入は86億ドルで、昨年最後の3ヵ月間のアマゾンの広告収入よりも10億ドル以上少なくなっています。また、YouTubeの四半期成長率は25%と、アマゾンの成長率よりも低いものでした。

YouTubeは、Google検索を含むGoogleの巨大な広告部門の一部に過ぎず、前期には612億ドルの売上がありました。しかし、アルファベットの至宝である広告部門の2021年最後の3ヵ月間の成長率は32.5%で、アマゾンの最終四半期の成長率にわずかに及びませんでした。

アマゾンは、これまで広告を事業の中核ではないと考えており、わざわざ個別に業績を報告していませんでしたが、この結果は悪くありません。

「これは、アマゾンがいまだに収益を上げるための新しい方法を開発する能力があり、それを大々的に行っていることのさらなる証明となる」と証券会社AJ Bellのアナリストであるラス・モールド氏は述べ「市場は、この部分がどれだけ大きくなるのかを知りたがっており、同社が行うすべてのことと同様に、期待が高まっていると思われる」としています。

アマゾンの業績は、全般的に、混乱期にあるオンライン広告市場の見通しに少し楽観的な見方をもたらしました。

メタ・プラットフォームズ(FB)の業績悪化の主な要因の一つは、今後の広告市場が厳しい状況になると考えていることです。

その結果、予想を下回る見通しとなりました。メタが挙げた要因のひとつは、アップル(AAPL)がモバイル機器での広告を規制したことにより、フェイスブックのような企業が、広告の効果を示すデータを広告主に提供することが難しくなったことです

メタの損失は、アマゾンとアルファベットの利益を意味します。

アマゾンは、広大なEコマースの世界を基盤とした独自の広告エコシステム(商品購入履歴などを活用)を持っており、メタからの移行を検討している広告主を獲得することができます。

アルファベットは、グーグルの検索プラットフォーム(検索の際に入力したキーワードに関連する広告を表示)とYouTubeを持っており、同じ傾向から利益を得ることができると思われます。

「メタがアップルに依存する形で広告事業を運営してきたのに対し、他社は独自に利用者の趣味や嗜好を把握しやすいという違いがある」と日本経済新聞が記事の中で分析していましたが、メタが新たな方法を開発しない限り、格差は広がるばかりかもしれません。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

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