ピンタレスト 決算後の暴落の評価

ピンタレスト(PINS)の株価は7月30日、決算発表の内容に失望した投資家の売りを浴びて、前日比18.2%ダウンの58.9ドルと暴落しました。ピンタレスト 決算発表後に暴落

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売上高と1株当たり利益は予想を上回ったものの、月間アクティブユーザー数(MAU)が予想を下回ったことが暴落を招きました。

果たして、この暴落は正当なものだったのか、それとも行き過ぎだったのか、分析した記事がモトリーフールに掲載されていましたので、ご紹介します。

 

ピンタレストは、第2四半期決算で125%の増収を報告しました。アナリストは106.5%と予想しており、ピンタレスト社自身のガイダンスでは105%の増収を見込んでいました。

この増収は、経済の再開に伴い、大企業が情報発信のためにプラットフォームへの支出を拡大したことが要因となっています。

今回の決算発表で興味深いのは、経済活動の再開が、ピンタレストに全体的にマイナスの影響を与えていることが明らかになったことです。

人々は家を離れて過ごす時間が増え、ピンタレストに関わる時間が減っています。この傾向は、米国および海外の月間アクティブユーザー数の前四半期からの減少につながりました。

ユーザー1人当たりの平均売上が海外のユーザーよりも10倍以上高い米国では、MAUが第1四半期から第2四半期にかけて700万人減少しました。

同様に、米国外からのMAUは、第1四半期から第2四半期にかけて1,700万人減少しています。

つまり、経済を再開したことで、広告主がピンタレストへの支出を増やしている一方で、MAUを減少させているということです。

この逆転現象が投資家を不安にさせ、発表後に大きな売りが出た原因であると考えられます。

2,400万のMAUを失ったことは、飲み込むには辛い現実です。

最新の報告書の時点で、ピンタレストの総ユーザー数が4億5400万人であることを考えれば、ユーザーベースの5%以上を失ったことになります。

広告主は個人へのアクセスに対してお金を払います。プラットフォームの利用者が減れば、広告主がサイトに費やす費用も減ります。そして、MAUを失ったことによる影響は、1四半期の売上が上回ったことによる利益よりも長く続きます。

米国でのMAU減少によってピンタレストが被るであろう年間の損失が計算できます。

過去4四半期の合計で、ピンタレストのユーザー1人当たりの平均売上は18.86ドルでした。これに米国で失った700万人のMAUを乗じると、年間で1億3200万ドルの売上が減少すると推定されます。

これは、2020年度から2021年度にかけてのARPU(Average Revenue Per User)の成長率を考慮していません。これを考慮すると、売上の減少額は年間推定2億300万ドルになります。

ピンタレストの2020年の年間売上は17億ドルですから、この損失の大きさがわかります。そして、さらに問題を悪化させているのは、投資家がMAUの損失が今期で止まるかどうかわからないことです。

この2億300万ドルの推定年間損失は、年間売上の約12%に相当します。これだけの額が失われ、さらに損失が今後増えるかもしれないことを考慮すると、30日の取引で株価が18%ダウンしたことが、あながちオーバーリアクションではなかったことがわかります。

ただ、悲観一色ではありません。

株主にとっての朗報は、これらのユーザーがまだピンタレストのアカウントを持っていることです。彼らはこの1ヶ月間、アカウントを使っていないだけです。

気候が涼しくなり、アウトドア活動に対する当初の需要が減るにつれて、今後数四半期のうちに彼らがピンタレストの使用を再開する可能性があります。

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