スクエア 重視すべきはデジタル決済の雄としての将来性

最近、スクエア(SQ)が注目を集めることが多いのは、バランスシートにかなりのビットコインを保有していることと、Cash App(スクエアの子会社)での取引によるビットコインの収益が急上昇しているからです。

史上最高値から40%ほど下落した後も、ビットコインは2020年の年初から450%近く上昇しています。スクエアの株価がその同じスパンで約250%上昇したのも不思議ではありません。

しかし、スクエアは暗号通貨の流行に賭けるだけの会社ではありません。Cash Appのビットコイン取引機能を巧みに利用して、大量の新規ユーザーを安いコストで獲得しています。

いったんユーザーがエコシステムに入ってしまえば、デジタル決済やピアツーピアのお金の動き、Cash Appのアカウントにリンクしたデビットカード、新しく獲得した税務申告サービス、スクエアの広範なマーチャントネットワークとの統合など、他の機能をクロスセルすることができるのです。

スクエアは、Cash Appがパンデミック前の業績を前年比で上回ったことで、大きな後押しを受けています。2021年第1四半期のCash Appの売上(ビットコイン関連収入を除く)は、201%増の5億2900万ドルでした。この驚異的なペースは、2021年が進むにつれて間違いなく減速することにはなるでしょう。

しかし、別の触媒、起爆剤が生まれようとしています。それは、昨年のパンデミックによるロックダウンで、スクエアを利用している多くの加盟店が一時的に閉鎖を余儀なくされ、深い影響を受けた同社のセラーエコシステムです。

セラーエコシステム分野は、第1四半期に前年同期比19%増の10億2,000万ドルとなりましたが、今後数四半期で売上の増加が加速すると思われます。

フリーキャッシュフローベースでは、スクエアは少なくともまだ利益を出していません。同社は、デジタルペイメントと金融テクノロジー分野での事業拡大のために、今、多額の支出を行っています。

過去12カ月間のフリーキャッシュフローは、132億ドルの売上に対して1,620万ドルとわずかなものでした。しかし、スクエアは最終的に高い利益を生み出す企業になることが有力視されています。

ビットコインの影響を除いた第1四半期の売上総利益率は57%で、新規ユーザーを数多く獲得した1年前の49%から大きく上昇しました。トップラインとボトムラインの両方を速いペースで成長させているスクエアが、現在の時価総額1,010億ドルから今年再び2倍の価値になることも考えられないことではありません。

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