空売り会社の主張でブロックが大幅安

米国に拠点を置く空売り会社ヒンデンブルグ・リサーチが、ブロック(SQ)が提供する決済アプリ、キャッシュアップがユーザー指標を膨らませ、プラットフォーム上での不適切な活動を抑制していないと主張したためブロックの株価は3月23日の市場で大きく下落、終値は14.82%安の61.88ドルとなりました。

ヒンデンブルグは数ページにおよぶリサーチノートにおいて、キャッシュアップに大量の偽アカウントや重複したアカウントが含まれている可能性が高いと主張しており、その根拠として司法省への苦情や従業員のコメントなどをあげています。

2年間かけてブロックに関する調査を行ってきたとする同社は、「複数の個人が同じ銀行口座番号を利用して給付金を受け取っているのは、紛れもない詐欺のしるしだという社内外からの警告を、ブロックは無視した」とし、「キャッシュアップのコンプライアンス(法令順守)プロセスに重大な過失が複数あり、それが巨額の給付金詐欺を手助けした」と書いています。

ブロックは、2月23日に発表した最新の四半期報告書で、12月の「取引アクティブユーザー」が前年比16%増の月間5100万人に達したと発表しています。同社は、トランザクティング・アクティブ・ユーザーを、少なくとも1回の取引を完了した顧客と定義していますが、「1つ以上の他のトランザクティング・アクティブ・アカウントとエイリアス識別子を共有している可能性がある」とヒンデンブルグは主張しています。

また、ブロックは、犯罪行為や性売買などの禁止行為に関与していることが判明したユーザーを禁止しないことによって、不適切な行為を助長しているともヒンデンブルグは主張しています。

ヒンデンブルグは1月、インドの資産家ゴータム・アダニ氏のコングロマリット、アダニ・グループの不正会計疑惑などに関するリポートを発表し、同氏の旗艦企業であるアダニ・エンタープライズの株価が今年に入って半分以上値下がりする事態を招いたことで注目を集めた空売り会社です。

また、ヒンデンブルグは2020年9月10日に電気自動車メーカーのニコラ(NKLA)に関する67ページのレポートを発表し、ゼロエミッション技術の開発について繰り返し嘘をついたと告発、結局同社の創業者のトレバー・ミルトン氏が証券詐欺で起訴されるに至っています。

ブロックは3月23日午後、ヒンデンブルグの報告書について「事実無根」で「誤解を招く」とし、ヒンデンブルグ・リサーチに対して法的措置を検討する計画を明らかにしています。

*過去記事はこちら ブロック SQ

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