テスラ 株価の低迷はしばらく続く?

テスラ(TSLA)の株価の動きが冴えません。672.37ドルの株価は、過去3ヶ月間では21%下落しており、S&P500やダウジョーンズ工業平均に大きく遅れをとっています。

1年前と比べると約310%上昇というすさまじい結果を出しているのですが、これまでの成績が飛び抜けて良かっただけに、余計に最近の失速が目立ちます。

ただ、これはテスラの株価の動きとしてはこれまでもたびたびあったことです。大きな節目の後に急上昇し、その後しばらくは動かないという現象は以前にもありました。

テスラの時価総額は、2010年の新規株式公開後、何年もの間、20億ドルから30億ドルの間で揺れ動いていました。その後、モデルSが発売され、テスラは人々が求める高級な全電動セダンを提供できることを示しました。2013年には、テスラの時価総額は200億ドルにまで跳ね上がりました。

2017年にモデル3が登場した頃にも同様のジャンプが起こり、2019年にはテスラが利益を上げられることを示した時にも同様のジャンプが起こりました。株価はその後の16カ月間で約50ドルから900ドルまで駆け上がり、ピーク時の時価総額は8,370億ドルに達しました。

投資家は次のカタリスト、起爆剤を探しています。

短期的には、米国のEV購入奨励策の充実やテスラの運転支援機能である「オートパイロット」が評価が高まるといったことかもしれませんが、起爆剤としては力不足かもしれません。

テスラのドイツ新工場もそのひとつとして考えられます。新しい製造プロセスと先進的なバッテリーにより、生産能力の拡大と車両品質の向上を実現します。しかし、この工場が稼働するのは2022年初頭の予定です。

最大の起爆剤と期待できるのは完全な自動運転ができる車の登場でしょう。テスラは自律走行技術に力を入れていますが、CEOのイーロン・マスク氏は、これまでに取り組んだ中で最も困難な課題と呼んでいます。進歩はしているものの、大きな発表があるのは早くても2021年末になると見られています。

起爆剤の不足は、企業のファンダメンタルズにも現れています。Fundstrat社のグローバル・ポートフォリオ戦略責任者であるBrian Rauscher氏によると、アナリストたちはテスラの業績予想を引き上げていましたが、現在は違います。7月から1月にかけての2021年の業績予想は、1株あたり約2.50ドルから約4.10ドルになりました。それ以降は、ほとんど変化していません。これは、現在の好調なニュースがすでに株価に反映されている証であり、テスラ株は大きな動きがないまま当面推移することが予想されます。

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