「億り人を狙うならこの株!」シリーズ。最後はナイキ(NIKE)です。
ナイキは、世界最大級のスポーツ用フットウエア・アパレルブランドである。ランニング、バスケットボール、サッカー、トレーニング、スポーツウエア、ジョーダンブランドの6つの主要カテゴリーでアパレル、フットウエア、機器、アクセサリーをデザイン、開発、販売する。フットウエアが全社売上高のおよそ3分の2を占めている。ブランドには、Nike、JordanやConverse(カジュアルフットウエア)などがある。世界40カ国の400カ所を超える工場でアウトソーシングにより製造した製品を世界各地で販売している。オレゴン州のビーバートンを拠点とし1964年に設立された。
出所:マネックス証券 銘柄スカウター
こんな引用で紹介しなくてもいい、誰もが知っている会社がナイキです。会社設立から57年なんですね。
ナイキは長い間、株式投資の面でも魅力的な会社として知られてきました。例えば、1990年にナイキの株を1万ドル投資したとしましょう。配当金を再投資する前提で計算すると、なんと今日では158万ドルまで膨れ上がっていることになります。30年間でこの金額。まさに億り人株と言っていい、投資家だったら誰もが夢見る結果をもたらしてくれる会社がナイキでした。
なんて過去形になってしまうのは、さすがのナイキも成長率が近年では落ちているからです。1990年代には現在よりもはるかに速いペースで売上を伸ばしていました。1995年度には売上が25%成長。1985年度からの10年間で売上は5倍になっていました。
会社の規模が大きくなってくると、さすがにそんな成長は続けられません。2010年度から今日までの10年間で売上は2倍と成長率は落ちています。
では、今から新しくナイキ株を保有して億の夢を見ることはできないのでしょうか。そんなことはないという結論を導くのがナイキの今の取り組みです。
ナイキは、ダイレクト・ツー・コンシューマー・ビジネスへの投資により、マージンの改善と利益の拡大に向けた基盤を築こうとしています。
依然としてホットなブランドであり、そのモバイルアプリ、特にSNKRS(スニーカーを数量限定で発売し、すぐに完売してしまう)の人気は絶大。前年同期比で200%の成長を遂げたと報告されています。
ナイキのデジタルチャネルは現在、ビジネスの30%以上を占めており、近い将来には50%に達すると経営陣は見ています。
同社は現在、デジタルファーストの企業であり、デジタル販売は卸売チャネルでの販売よりも高い利益を生み出しています。このため、アナリストはナイキの1株当たり利益が今後5年間で年率34%の成長を遂げると予測しています。
ある試算では、スポーツアパレル市場は2018年に1670億ドルとされ、2026年には2480億ドルに達すると予想されています。
ルルレモンやペロトンといった新興企業のような勢いは今のナイキにはありませんが、業界に合わせて成長を続けています。
その長期的な目標は、売上高を一桁台の高成長率で成長させ、一株当たり利益を10ポイントの半ばぐらいで成長させること。もしナイキが30年間、そのレベルの成長を維持できれば、1万ドルの投資が30年後には60万ドル以上の価値を持つようになる可能性は十分にあります。
かつてほどではありませんが、今でもナイキは億を実現する夢を見させてくれる株であり続けています。