億り人を狙うならこの株!(詳細版 後編)

エバークォート(EVER)

エバークォートは米国の保険関連ITサービス企業。主にオンラインでの保険の見積もり比較や加入サービスを提供する。同社プラットフォームで消費者は自動車保険、火災などの住宅関連保険、生命保険の見積もりの比較、保険範囲の検討、加入ができる。また、同社は保険会社やファイナンシャル・アドバイザー向けのサービスも展開。本社所在地はマサチューセッツ州ケンブリッジ。

出所:Yahoo! Japan ファイナンス

エバークォートは、米国を拠点とする企業で、保険ショッピングのオンライン市場を提供する事業に携わっている。オンライン市場は、自動車保険、住宅保険、および生命保険に基づいて、関連する保険見積もりを見つけることを消費者に提供する。プラットフォームは、データサイエンスによって促進されている。データおよびテクノロジープラットフォームは、保険を購入しようとする消費者と、保険プロバイダーの幅広いダイレクト・ネットワークから関連のあるオプションとをマッチングし、結びつける。

出所:マネックス証券 銘柄スカウター

上記のような保険のオンライン・マーケットプレイスを展開しているのがエバークォートです。同社によれば米国の保険業界が保険の流通や販売、そして広告にかけている費用は年間 1,461 億ドル。そのうち、デジタル関係で使われているのは56億ドルだそうです。

成熟した業界ですから、全体の費用の伸びは緩やかです。2024年までで年率約3%で増える見込み。ただ、デジタル化の進展はこの業界でも急激です。デジタル関係の支出は5倍以上の16%で増えるものと予測されています。ここにエバークォートの商機があります。

同社の運営モデルの優れた点は、誰にとってもWin-Winであるということです。顧客は複数の保険を簡単に比較検討して自分の望む保険を素早く見つけることができます。保険会社は、保険をかけることに対する意識の高い優良顧客との契約が可能になります。

エバークォートによれば、見積もりを依頼した顧客の20%が、同社のマーケットプレイスを通じて保険を契約しているそうです。

同社の売上の大部分は自動車保険です。ただ、近年では、健康保険、住宅保険、賃貸住宅、生命保険などの新しい分野が自動車保険をはるかに上回る早いペースで増えています。

2014年から2020年までの全セグメントの年間売上高の合計成長率が33%であるのに対し、自動車以外の分野の売上高は2016年から2019年までの間に年間平均127%という急激なペースで成長しています。

米国の保険業界は着実にオンライン保険広告へとシフトしつつあり、この変化の最大の受益者となるのがエバークォートと言えそうです。

ラブサック(LOVE)

ラブサックは、「サクショナル」と呼ばれるモジュール式長椅子(構成部分の配置を変えることが可能なソファ)や「サック」と呼ばれるファッショナブルなビーンバッグ椅子(ベットとしても使用できるほど巨大なクッション)などのオルタナティブ家具の設計、製造、販売を手掛ける。毛布、ひざ掛け、装飾用クッションなどの付属品も販売している。製品は、自宅用やオフィス用家具として、自社のウェブサイトや米国各地の直営小売店舗で販売している。売上高の大半を、「サクショナル」製品が占めている。

出所:マネックス証券 銘柄スカウター

コロナ禍の2020年、ラブサックは目覚ましい業績をあげました。売上高が41%近く増加し、売上総利益率は50%を記録しました。

これはラブサックがミレニアル世代にとって特別な存在であり、絶対的な人気を博していることによります。売上高の81%近くを占めるサクショナルは、どんな生活空間にも対応できるように、様々なアレンジが可能です。

さらに、250種類以上の洗えるサクションカバーを用意しており、このカバーに使用されている糸は、すべてペットボトルをリサイクルしたものを使用しています。

人気だけではありません。コロナ禍の市場にうまく適応できたことも好業績に繋がりました。ほとんどのショールームは閉鎖を余儀なくされたり、客の入りが大幅に減少したりしました。そのため、ほとんどの家具屋が大打撃を受けましたが、同社はそれをうまく免れました。

大規模なものではありませんが、既に在庫システムを変更しオンラインに対応していたため、マーケティング活動をネットにシフトすることができました。足元の2021会計年度では売上高の約53%がオンラインからとなっており、1年前の23%から大幅に伸びています。バランスの取れたオムニチャンネルの販売ルートを構築できたことが同社の利益に貢献しています。

ラブサックはまだ発展途上段階。毎年秋に少なくとも一つは将来の主力となるような製品を発表して地盤固めを行っています。このまま勢いを増していけば、古臭いところの残る家具業界を変革する力を持つディスラプターに育って行くかもしれません。


以上、詳細版で前編3銘柄、後編2銘柄をご紹介しました。
億り人を狙うならこの株!」の冒頭でこう書きましたが、

百万ドル長者株(millionaire maker stock)は「中長期で安定的に成長が期待できる株」といったニュアンスでとらえ方がいいのかなという印象です。

前編の3銘柄には当てはまりますが、後編の2銘柄は違いますね。
エバークォートとラブサックはともにまだ利益も出ておらず売上も少ない、当然時価総額も多くありません。安定的に成長できるかはこれからという意味では10倍株的な位置付けかなと思います。魅力なのはこれまであまり注目を浴びてこなかったこと。人気が出る前に買って利益を手にする先行者利益が期待できます。買うなら、ブランドの認知度がまだまだらしいラブサックよりはエバークォートの方でしょうか。

ナイキについてはスターバックスのように単独記事でご紹介します。


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