2026年新春展望:エヌビディア復活のシナリオと「空白の540億ドル」

明けましておめでとうございます。2026年の幕開けに際し、昨年から続く停滞を打ち破る可能性を秘めた、エヌビディアの最新状況と新年の展望を分析します。

昨日の記事では、中国独自の光チップ(フォトニック・チップ)の台頭がエヌビディアの覇権を脅かす可能性について触れました。本日は、それとは対照的な「現時点での圧倒的な需要」という側面から、バロンズ誌の最新リポートを基に、2026年のエヌビディアを展望します。


1. ガイダンスに含まれていない「540億ドルの未開拓市場」

現在、エヌビディア(NVDA)の公式な財務ガイダンスには、中国市場からの収益が含まれていません。しかし、ロイター等の報道によれば、中国からは既に200万個を超えるH200チップ(受注総額 約540億ドル)のバックオーダーが入っているとされています。

特筆すべきは、トランプ大統領が、米国政府が売上の25%を徴収することを条件に、このH200の輸出を認める方針を示したことです。 昨日の記事で解説した中国独自の技術開発という「長期的な脅威」がある一方で、現時点での「即戦力」としてのエヌビディア製品への飢えは、540億ドルという数字に如実に表れています。

もしこの輸出が2026年に本格化すれば、現在の業績予想には一切反映されていない巨額の売上が上乗せされることになります。これは業績の非連続的な跳ね上がりを意味することに繋がります。バイトダンス1社だけでも2026年に140億ドルを投じる準備があるという事実は、技術競争の裏で、既存の資産としてのエヌビディア製チップがいかに不可欠であるかを物語っています。

2. 「TPU脅威論」や新技術を打ち消す次世代モデルの登場

株価が200ドルの壁を突破できずにいる要因の一つに、グーグルの自社開発チップ(TPU)との競争激化があります。アルファベット(GOOGL)の子会社であるグーグルとのハードウェア競争は激しさを増していますが、ここで注目すべき事実は、AI界のリーダーであるオープンAIが、次世代AIモデルのトレーニングにエヌビディアの最新システム「ブラックウェル NVL72」を採用している点です。

昨日の記事で取り上げた光チップのような破壊的な技術が将来的に台頭する可能性は否定できませんが、最先端のフラッグシップモデルが依然としてエヌビディアのプラットフォーム上で開発されているという事実は、同社の技術的な優位性が現在進行形で揺らいでいないことを示唆しています。2026年にこれらの新モデルが正式にローンチされる際、その圧倒的なパフォーマンスが証明されれば、ハードウェアとしてのエヌビディアの価値は改めて市場で評価されることになります。

3. 供給サイドの動き:TSMCへの増産打診

エヌビディアは昨年末時点で70万個のH200在庫を保有していましたが、200万個超の需要に対しては明らかに不足しています。これに対し、同社が既にTSMC(TSM)へ増産を打診しているという情報は、経営陣が2026年における中国向け輸出の進展、あるいは世界的な需要継続に対して強い確信を持っている証拠です。

半導体ビジネスにおいて、大規模な増産体制の構築は最も慎重な経営判断が求められる箇所です。ここでの強気な姿勢は、2026年の供給能力が、現在の巨大な受注残を順調に収益へと変換していく準備が整っていることを示しています。

結論:2026年の期待と二面性

昨日の記事で分析した「中国発の新技術による長期的な不透明感」と、本日の記事で取り上げた「圧倒的な受注残という短期・中期的な成長性」の二面性を理解することが、今年の投資判断において重要になります。2026年の幕開けとともに、以下のようなポジティブなシナリオが現実味を帯びてきました。

  1. 中国市場の再開という、巨大な業績上振れ要因の存在。
  2. ブラックウェルへの完全移行による、競合他社との差別化の再定義。
  3. バイトダンス等の巨大顧客による、本年を通じた長期的な買い意欲。

短期的には技術競争や政治的リスクによるボラティリティがあるかもしれませんが、これら数字に裏打ちされた需要を考慮すると、エヌビディアの成長ストーリーは2026年に第2章の幕を開ける状態にあると考えられます。

情報ソース: Barron’s: “Nvidia Stock Has Barely Budged Since the End of July. What Gets It Going Again.” (By Adam Clark, Dec. 31, 2025)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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