USAレアアースに「買い」評価 アナリストが語る成長の裏側

  • 2025年10月20日
  • 2025年10月20日
  • BS余話

ウィリアム・ブレア証券は10月20日、USAレアアース(USAR)に対して「買い」評価を付与しました。アナリストのニール・ディングマン氏は、米政府による国内レアアース産業への投資が今後も続くと見ており、同社が長期的な成長の恩恵を受ける可能性が高いと指摘しています。

米政府の支援で注目高まるレアアース分野

USAレアアースは、テキサス州にあるラウンドトップ鉱山の筆頭株主であり、希土類金属の抽出・精製技術を独自に開発する研究施設、そして磁石製造施設を保有しています。さらに、英国のレアメタル加工企業レス・コモン・メタルズ(LCM)を買収しており、金属製造やストリップキャスティングの生産体制を強化しています。

ディングマン氏は、「USAレアアースは完全統合型のレアアース企業の一つであり、これらの取り組みが長期的な株主価値を高める」と述べています。同社の磁石製造拠点は間もなく生産を開始する見込みで、将来的に米国内でのサプライチェーン強化に寄与すると期待されています。

株価は年初来142%上昇 投資家の関心が集中

USAレアアースはまだ大きな売上を上げていませんが、投資家の関心は高まっています。2025年の年初から株価は約142%上昇し、20日のプレマーケットでは8.5%上昇して30ドルあまりでで取引されています。ウィリアム・ブレアの新規カバレッジ発表後、市場では好感を持って受け止められています。

中国依存リスクと米国防総省の動き

レアアース(希土類)分野は、電気自動車、風力タービン、戦闘機など幅広い産業に不可欠です。世界生産の多くを中国が支配しており、輸出規制の可能性が浮上したことで米国ではサプライチェーンの再構築が急務となりました。

この流れを受けて、米国防総省は2025年7月にMPマテリアルズ(MP)と大規模な取引を締結。政府による株式保有、価格下限保証、磁石製品の買い取り契約を含む包括的な支援策を実施しました。これにより、米国内のレアアース産業は一夜にして大きな転機を迎えました。

アナリストの見通しと今後の焦点

ディングマン氏はレポートの中で、「米政府がUSAレアアースに対して大規模な投資を発表する可能性がある」との見方を示しています。もしこれが実現すれば、同社株にはさらなる上昇余地が生まれると考えられます。

現在、ファクトセットによるとUSAレアアースをカバーするアナリストは5名で、全員が「買い」評価を付けています。平均的なS&P500構成銘柄の買い推奨比率が約55%であることを考えると、これは非常に高い水準です。平均目標株価は24ドルですが、最新のレポートでは30ドル前後を見込む声も出ており、ウォール街が強気の姿勢を維持していることがわかります。

まとめ

USAレアアースは、政府支援と技術的優位性を背景に、米国のレアアース自給化戦略の中心的存在となりつつあります。まだ開発段階にあるものの、統合的な事業モデルと政策追い風を武器に、長期投資先として注目を集めています。

*過去記事「米国発レアアース企業、USAレアアースにアナリストが強気評価

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