2025年10月14日(火)の米国株式市場は、米中間の貿易摩擦の激化を背景にまちまちの展開となりました。ダウ平均は約200ドル(0.4%)上昇して46,270ドルで終了。一方、S&P500は0.2%下落して6,644、ナスダック総合指数は0.8%安の22,521で引けました。投資家は緊張の高まる米中関係を注視し、取引は不安定な値動きとなりました。
以下は、14日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
ナビタス・セミコンダクター (NVTS)
株価変動: +26.08%
詳細: ナビタス・セミコンダクターは、GaN(窒化ガリウム)およびSiC(炭化ケイ素)技術を用いた次世代パワー半導体を開発する米国企業です。エヌビディアの次世代AIアーキテクチャ向けに特化した高電圧パワーデバイスの開発進展を発表し、AIデータセンターの電力効率向上に貢献する見通しが好感されました。この発表を受け、株価は26%急騰しました。
ポラリス (PII)
株価変動: +13.92%
詳細: ポラリスは、スノーモービルやオフロード車などのレジャー用車両を製造する米国の特殊車両メーカーです。同社はオートバイ事業からの撤退を発表し、インディアンブランドをロサンゼルスの投資会社Carolwood LPに売却することで合意しました。この再編により年間利益が1株あたり1ドル増加すると見込まれ、収益性改善への期待から株価は急騰しました。
ウェルズ・ファーゴ (WFC)
株価変動: +7.15%
詳細: ウェルズ・ファーゴは米国4大銀行の一角を占める大手金融機関です。2025年第3四半期決算で1株あたり利益が1.66ドルと予想の1.55ドルを上回りました。さらに有形普通株主資本利益率(ROTCE)の目標を17〜18%に引き上げたことで、収益性改善が期待され株価が大きく上昇しました。
ウォルマート (WMT)
株価変動: +4.98%
詳細: ウォルマートは世界最大の小売企業で、日用品や食品を中心に幅広く展開しています。オープンAIと提携し、ChatGPT経由で商品を即時決済できる「インスタントチェックアウト」機能を導入することを発表しました。AI活用による購買体験の向上が評価され、株価が上昇しました。
*関連記事「ウォルマートがオープンAIと提携!ChatGPTで買い物ができる時代へ」
キャタピラー (CAT)
株価変動: +4.50%
詳細: キャタピラーは建設機械を主力とするアメリカ企業です。同社の発電機事業が、AIデータセンターの電力需要拡大によって新たな収益源となりつつあることが評価され上昇しました。
*関連記事「キャタピラー株が急騰 AIデータセンター需要が新たな成長ドライバーに」
シティグループ (C)
株価変動: +3.89%
詳細: シティグループは米国の多国籍金融サービス企業で、商業銀行や投資銀行、資産運用を手がけています。第3四半期決算で前年同期比16%増の1株1.86ドルの利益を発表し、銀行部門の売上が前年比34%増加しました。好調な業績が買いを誘い、株価は上昇しました。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD)
株価変動: +0.77%
詳細: AMDはCPUやGPUを開発する米国の半導体メーカーで、AI向けチップ開発にも注力しています。オラクルが2026年第3四半期から5万基のAMD製AIチップを導入する計画を発表し、AIデータセンター分野での競争力強化が期待されました。この発表を受け、株価は上昇しました。
*関連記事「AMD株が上昇!AIスーパークラスター計画で投資家の期待高まる」
JPモルガン・チェース (JPM)
株価変動: -1.91%
詳細: JPモルガン・チェースは米国最大の銀行で、投資銀行業務や資産運用をグローバルに展開しています。第3四半期の1株利益が5.07ドルと予想の4.85ドルを上回りましたが、労働市場の減速や金利低下への懸念から投資家心理が弱まり、株価は下落しました。
ゴールドマン・サックス (GS)
株価変動: -2.04%
詳細: ゴールドマン・サックスは世界的な投資銀行で、M&A助言やトレーディング業務に強みを持ちます。第3四半期の1株利益が12.25ドルと予想の11.03ドルを上回り、前年同期比で37%増益となりました。しかし、利益確定売りや市場の不透明感から株価は下落しました。
ブロードコム (AVGO)
株価変動: -3.52%
詳細: ブロードコムは通信機器用半導体とソフトウェアを手がける米国の大手テクノロジー企業です。オープンAIと提携し、AIアクセラレーター10GW分を開発・提供する計画を発表した翌日、材料出尽くし感から短期的な利益確定売りが発生し、株価は下落しました。
エヌビディア (NVDA)
株価変動: -4.40%
詳細: エヌビディアはAI向けGPU市場で圧倒的シェアを持つ半導体メーカーです。人工知能(AI)向け半導体市場での競争が激化することへの懸念が投資家の間で広がったため大きく下落しました。。前日の13日には2.8%上昇していましたが、その上昇分を打ち消す形となりました。
*過去記事 株価変動
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