半導体メーカーとして知られるエヌビディア(NVDA)が、自社の強みとして「ソフトウェアの力」を改めて強調しました。バロンズによると、同社はAI推論向けの独立ベンチマーク「SemiAnalysis InferenceMAX」で最高の性能と効率を示し、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの競合を大きく引き離しました。
エヌビディアの真の強みは「ソフトウェア」
エヌビディアのAIインフラ担当ディレクターであるディオン・ハリス氏は、「当社の戦略の中核は、ネットワークからGPUまでを一体設計し、ソフトウェアを絶えず改善していくことだ」と述べています。同社のエンジニアの半数以上がソフトウェアに携わっており、単なる半導体企業にとどまらない強固な基盤を築いています。
ハリス氏はまた、「複雑なAI推論ワークロードをデータセンター規模で展開することは容易ではない」と語り、アルゴリズムの改良によって「既存のインフラでもより多くの収益を生み出せる」と説明しました。
ベンチマークでAMDを大きくリード
今回のベンチマークには、エヌビディアのGB200 NVL72やB200、H200、H100、そしてAMDのMI355XやMI300Xなどが比較対象として含まれました。その結果、エヌビディアは性能・効率ともに首位を獲得。特に「GB200 NVL72」は72基のGPUを1ラック内で接続し、ネットワークとソフトウェアを統合した“フルスタック型”AIサーバーとして高く評価されました。
一方で、AMDの同等製品「MI400」シリーズは2026年後半まで登場しない見込みです。この点も、エヌビディアの優位をさらに際立たせています。
次世代AIサーバー「Vera Rubin」でさらなる飛躍へ
ハリス氏は、エヌビディアの次世代AIサーバー「Vera Rubin」が2026年に登場予定であることにも言及。「私たちは光の速さで進化しており、1年ごとに自らを飛び越えていく」と述べ、開発スピードの高さを強調しました。
「お客様に価値を提供し続ける限り、我々は十分うまくいく」とも付け加えています。
まとめ
AIハードウェア競争の主戦場は、もはやチップ単体ではなくソフトウェアと統合設計の領域に移りつつあります。エヌビディアは「フルスタック」戦略を武器に、AMDをはじめとする競合に対しリードを維持する構えです。
今後、アルファベット(GOOGL)やアマゾン(AMZN)のAIチップがベンチマークに加わる予定ですが、現時点での勝者は明らかにエヌビディアと言えます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
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