2025年10月10日(金)の米国株式市場は、トランプ大統領が中国への「大規模な関税引き上げ」を警告したことで、急落しました。ダウ平均は879ドル安(1.9%)、S&P500は2.7%安、ナスダックは3.6%安と大幅下落。レアアース輸出制限への報復姿勢が市場心理を悪化させ、VIX指数は8月以来となる20超えに上昇しました。シティのストラテジストは「好材料が織り込み済みの中での衝撃」と指摘し、ディフェンシブ銘柄への資金移動が進んでいます。
以下は、10日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
エイトコ・ホールディングス (ORBS)
株価変動: +16.59%
詳細: エイトコ・ホールディングスは、AIおよびブロックチェーン技術への投資を行うテクノロジー投資会社です。企業向けにAIによる認証強化を目的としたパイロットプログラムを発表し、本人確認やセキュリティ課題に対応する取り組みが評価され、株価は大きく上昇しました。
アプライド・デジタル (APLD)
株価変動: +16.05%
詳細: アプライド・デジタルは、AI・高性能コンピューティング向けデータセンターを提供する企業です。コアウィーブとの150MWに及ぶ新たな長期リース契約の発表により、同社のAIインフラ事業への成長期待が高まり株価は急騰しました。第1四半期の損失も市場予想を上回る結果となりました。
MPマテリアルズ (MP)
株価変動: +8.37%
詳細: MPマテリアルズは、米国のレアアース(希土類)鉱山企業で、中国に依存しない供給網を構築することを目指しています。トランプ大統領が中国に対する追加関税を示唆したことで、米国国内でのレアアース需要増加が期待され、株価が上昇しました。
エラスティック (ESTC)
株価変動: +6.05%
詳細: エラスティックは、検索・分析プラットフォーム(Elastic Stack)を提供するソフトウェア企業です。2026年度の売上ガイダンスを引き上げたほか、5億ドル規模の自社株買いを発表し、成長期待が高まりました。
エヌビディア (NVDA)
株価変動: −4.85%
詳細: エヌビディアは、AI向けGPUで世界をリードする半導体企業です。前日に過去最高値を更新しましたが、トランプ大統領の対中強硬姿勢と中国の米半導体輸入制限報道により、市場全体とともに株価が下落しました。
クアルコム (QCOM)
株価変動: −7.29%
詳細: クアルコムは、スマートフォン向け通信チップの世界最大手企業です。中国当局が同社のイスラエル企業Autotalks買収に対する独占禁止法調査を開始したことが嫌気され、株価が大幅下落しました。
アリババ (BABA)
株価変動: −8.45%
詳細: アリババは、中国を代表する電子商取引(EC)およびクラウドコンピューティング企業です。米中間の緊張激化により、中国株全体が売られる中、同社株も大幅に下落しました。
モザイク (MOS)
株価変動: −9.24%
詳細: モザイクは、リン酸塩・カリウムを原料とする肥料製造企業です。フロリダ州の生産施設で機械トラブル・ユーティリティ停止が生じ、生産が落ち込んだ点が下押し要因になりました。
ベンチャー・グローバル (VG)
株価変動: −24.88%
詳細: ベンチャー・グローバルは、米国の液化天然ガス(LNG)輸出企業です。顧客であるBPとの契約履行をめぐる国際仲裁で敗訴したことが嫌気され、株価は大幅に下落しました。
*過去記事 株価変動
🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇