2025年10月1日(水)の米国株式市場では、S&P500が政府閉鎖や民間雇用の弱いデータをものともせず、2025年の29回目の最高値を更新し0.3%上昇。ダウとナスダックも上昇し、それぞれ最高値圏に。ADPの雇用統計では9月に3.2万人の減少が報告され、利下げ観測が強まる中、債券利回りは低下。市場は政府閉鎖を懸念材料とはみなしていないようです。
以下は、1日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
フェルミ (FRMI)
株価変動: +54.90%(IPO初日)
詳細: フェルミは、天然ガスと原子力を活用してデータセンター向けの電力を供給する米国の新興電力会社です。初値は21ドル、終値は32.53ドルと、IPO初日に55%の上昇を記録。脱炭素社会における安定電源への期待が背景にあります。
リチウム・アメリカズ (LAC)
株価変動: +23.29%
詳細: カナダ・バンクーバーを拠点とするリチウム採掘企業で、米国ネバダ州の「Thacker Pass」プロジェクトが中核。米国政府が同社および同プロジェクトに5%ずつ出資することが発表され、株価は急騰。GMも38%出資しており、EV時代の戦略資源企業として注目を集めています。
AES (AES)
株価変動: +16.79%
詳細: AESは米国の大手電力会社で、再生可能エネルギーやグローバルな発電事業に注力。ブラックロック傘下のGlobal Infrastructure Partnersによる約380億ドルの買収交渉報道が出ており、M&Aプレミアムを織り込む形で株価が上昇しました。
データドッグ (DDOG)
株価変動: +7.23%
詳細: データドッグはクラウドインフラの監視と分析を提供するソフトウェア企業です。ウェルズ・ファーゴがカバレッジを開始し、投資判断を「オーバーウェイト」、目標株価を190ドルと設定して、現在の水準から大幅な上昇余地があると評価したことで株価が大きく上昇しました。ウェルズ・ファーゴは、データドッグのAIネイティブな顧客基盤に着目しており、市場ではまだ十分に評価されていない成長要因であると指摘しています。
モデルナ (MRNA)
株価変動: +6.85%
詳細: モデルナは米国マサチューセッツ州拠点のバイオ医薬品企業で、mRNA技術を活用したワクチンで知られています。トランプ政権による医薬品輸入への100%関税政策の恩恵を受け、自社製品の競争力強化が期待されています。
ナイキ (NKE)
株価変動: +6.41%
詳細: ナイキは米国オレゴン州本社の世界最大のスポーツ用品メーカー。2026年度第1四半期決算で、1株利益49セント(予想27セント)と好調で、売上高も117億ドルと予想を上回りました。北米市場ではアパレル販売が伸び、株価は6%以上上昇しました。
*関連記事「ナイキの業績発表:回復への道のりは「直線的ではない」」
サンラン (RUN)
株価変動: +6.13%
詳細: サンランは米国最大の住宅用太陽光発電システムの設置・運用企業。ジェフリーズが同社を「買い」へ格上げし、目標株価を11ドルから21ドルへ引き上げたことが材料視されました。2025年後半にはキャッシュフローが黒字化する見通しです。
ネットフリックス (NFLX)
株価変動: -2.34%
詳細: ネットフリックスは米国発の世界最大級の動画ストリーミングサービス企業。イーロン・マスク氏がSNSでボイコットを呼びかけたことや、コンテンツ制作者による政治的発言が波紋を呼び、保守層を中心に批判が広がっています。
コルテバ (CTVA)
株価変動: -9.11%
詳細: コルテバは米国の大手農業化学企業で、種子および農薬を主力としています。今回、種子事業を「SpinCo」として分離する企業再編を発表しましたが、分割後の収益構造や成長性への懸念から投資家の売りが先行しました。
*過去記事 株価変動
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