AIでがんを早期発見?ガーダント・ヘルスの「Shield」が医療を変える

  • 2025年9月26日
  • 2025年9月26日
  • BS余話

米国時間2025年9月25日、カリフォルニア州の医療テクノロジー企業ガーダント・ヘルス(GH)が、複数の種類のがんを早期に検出可能な新たな血液検査「Shield」を10月に正式発売すると発表しました。この発表はニューヨークで開催された投資家向けイベントで行われ、株価は同日の午前中に5%上昇しました。

「Shield」はがんの枠を超える可能性も

Shieldは、AI(人工知能)とエピゲノミクス解析を用いて、がんの早期兆候を血液中から検出するもので、すでに大腸がんの早期発見用途で米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ています。今後はその適用範囲を他のがんにも広げ、最終的には心臓、肺、肝臓、脳などのさまざまな疾患の兆候を早期に把握するプラットフォームとしての展開も視野に入れているとのことです。

同社の共同CEOであるAmirAli Talasaz氏は「Shieldはがんにとどまらないプラットフォーム」と語り、すでに無症状の個人における数百種類の疾患に関するエピゲノミックなシグネチャデータを蓄積していると述べました。

マーケット規模は将来的に3,000億ドルの可能性

今回の発表では、Shieldによる潜在的な市場規模が最大3,000億ドルに達する可能性があるとの見方が示されました。がんの早期発見が一般化すれば、全米で年間500億ドル規模の市場が形成されるとの試算も紹介されました。

ただし、現時点では多種がん血液検査に対する保険適用が限定的である点が課題とされています。Shieldは大腸がん用途ではメディケアで1,500ドル、民間保険では1,000ドル未満の価格でカバーされていますが、今後の普及には価格引き下げと予防医療ガイドラインへの組み込みが重要になると見られています。

2028年に黒字化、売上は22億ドル見通し

ガーダントは、2028年にはフリーキャッシュフロー黒字化を達成し、年間売上は34%成長して22億ドルに到達するとの見通しを示しました。今回の説明会を受けて、調査会社ウィリアム・ブレアのアナリスト、アンドリュー・ブラックマン氏は、同社の成長加速と勢いの持続性が株式バリュエーションの維持につながるとの見解を示し、同社株を「買い」評価としています。

他社との比較と投資家の関心

がん診断分野においては、グレイル(GRAL)やイグザクト・サイエンシズ(EXAS)といった企業も多種がん検査を展開しており、いずれも1,000ドル未満で提供しています。ガーダント株の評価は来年の予想売上高の約7倍で取引されていますが、グレイルの8倍と比較しても割高とは言い切れない水準です。

AIによる医療診断の進展とともに、今後も注目が集まる分野であることは間違いありません。

*過去記事「がん早期発見に革命!イグザクトが血液検査「Cancerguard」を発売

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