2025年9月24日、エヌビディア(NVDA)は中国の大手テック企業アリババ(BABA)とのAI分野における提携を発表し、株価がプレマーケットで0.8%上昇しました。この提携は、ロボットや自動運転車といった「フィジカルAI(物理世界で動くAI)」をテーマとしたもので、エヌビディアにとっては中国市場への新たな足掛かりとなる可能性があります。
フィジカルAIで連携強化:ロボット、自動運転、そして環境シミュレーションへ
アリババは、杭州で開催された開発者向けイベント「Apsaraカンファレンス」にて、エヌビディアのAIツール群を自社のクラウドプラットフォームへ統合する方針を発表しました。対象となるのは以下のようなフィジカルAI関連技術です。
- モデルのトレーニング
- データ合成
- 環境シミュレーション
- テストと検証
アリババのウーCEOは、今後AI関連への投資額を500億ドル以上に増やす意向も示しており、自社開発の大規模言語モデル「Qwen3-Max」(パラメータ数は1兆超)も発表しました。
禁輸措置を乗り越える新戦略か
中国政府は、国家安全保障上の理由から、国内企業によるエヌビディア製の先端AIチップの使用を制限しています。しかし、今回の提携ではハードウェアではなく、AIソフトウェアや開発ツール群の提供が中心となっており、制裁回避の新たな戦略と見ることもできます。
エヌビディアにとっては、中国市場でのAIプレゼンスを維持・拡大するための重要な一歩であり、アリババにとっても高度なAIインフラを構築するうえでの後押しとなるでしょう。
エヌビディアはAIフットプリントを拡大中
今回の発表は、エヌビディアが今週初めに発表した2つの大型AI関連案件に続くものです。
- オープンAIへの最大1000億ドル投資計画
- インテル(INTC)との数十億ドル規模の取引
これらの動きは、同社がAIエコシステム全体をリードする意志と実行力を示すものであり、ソフトウェア、ハードウェア、インフラすべてを含む包括的な成長戦略の一環と捉えられます。
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