2025年、S&P500の配当利回りはわずか1.1%と、2000年以来の低水準となっています。多くの投資家は成長株に注目する中で、配当株は出遅れているように見えるかもしれません。しかし、バロンズによると、実は高い配当利回りを維持しながら、市場平均を上回る値上がりを示す銘柄も多数存在するとのことです。
バロンズが抽出した81銘柄とは?
ファクトセットのデータを使ってバロンズが行ったスクリーニングによれば、S&P500構成銘柄のうち、配当利回りが1.1%以上で、2025年に14%以上上昇している銘柄が81も存在します。中には、ストレージ企業のシーゲイトや金鉱株のニューモントのように、株価が2倍以上に上昇した例もあります。
実例:市場平均を超える高配当株
2025年に14%以上上昇し、S&P500の配当利回り(1.1%)を上回ったトップ10銘柄(※)
| 銘柄名(ティッカー) | 2025年株価上昇率 | 配当利回り |
|---|---|---|
| シーゲイト・テクノロジー(STX) | +108% | 3.7% |
| ニューモント(NEM) | +102% | 2.5% |
| テペストリー(TPR) | +83% | 3.5% |
| CVSヘルス(CVS) | +40% | 4.0% |
| コーニング(GLW) | +33% | 3.3% |
| シティグループ(C) | +28% | 3.5% |
| イーベイ(EBAY) | +27% | 2.4% |
| バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK) | +24% | 3.4% |
| アッヴィ(ABBV) | +18% | 3.7% |
| アボット・ラボラトリーズ(ABT) | +14% | 1.5% |
※出典:Barron’s / FactSet(2025年9月22日時点)
これらの企業は、堅調なキャッシュフローと安定した事業モデルを背景に、株価と配当の両面で投資家を魅了しています。
金利低下が高配当株を後押し
2025年9月、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利の引き下げを実施し、今後も追加利下げの可能性を示唆しています。これにより、10年債利回りは7月中旬の約4.5%から現在は4.12%程度に低下しました。短期債の利回りも今後さらに下がる可能性があり、相対的に高配当株の魅力が増しています。
配当株に強気のプロの見解
Opal Capitalのウェイン・ウィッカー氏は、「FRBの姿勢がより緩和的になっており、安定成長のある高配当銘柄にチャンスが広がっている」とコメントしています。同氏が運用するOpal Dividend Income ETFでは、シティグループ、AT&T、フィリップ・モリス、ベライゾン、エンブリッジ、MPLXなどを上位保有銘柄としています。
今後注目すべきセクターと企業
特に医療や金融セクターは、高配当かつ割安な銘柄が多く存在し、今後の巻き返しが期待されています。以下の企業もスクリーニングを通過しています。
- カーディナル・ヘルス(CAH)
- ギリアド・サイエンシズ(GILD)
- メドトロニック(MDT)
- バンク・オブ・アメリカ(BAC)
- シチズンズ・ファイナンシャル(CFG)
- フランクリン・リソーシズ(BEN)
- ステート・ストリート(STT)
- トラベラーズ(TRV)
- ウェルズ・ファーゴ(WFC)
これらの企業は、今後もインカム投資家にとって魅力的な候補となりそうです。
このように、低金利環境の再来とともに高配当株への関心が再燃しています。2025年後半から2026年にかけて、これらの銘柄が市場全体と比較してどのように推移していくのか、引き続き注目する価値がありそうです。
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