エヌビディア(NVDA)がオープンAIに最大1000億ドルを投資するという発表を受け、クラウドインフラ企業のコアウィーブ(CRWV)にも注目が集まっています。エヌビディアとの提携が加速し、株価に再び追い風が吹き始めたという見方が強まっています。
ネオクラウドの新たな波に乗るコアウィーブ
コアウィーブは、「ネオクラウド」と呼ばれる次世代クラウドインフラ企業の代表格として、AI時代の需要急増に対応したスケーラブルな計算資源を提供しています。今回の注目の背景には、同社がエヌビディアと結んだ63億ドルのクラウドサービス契約に加えて、新たに発表されたオープンAIとの提携強化が影響しています。
特に、オープンAIは2025年3月にコアウィーブとの契約を120億ドル規模で締結し、その後160億ドルへと拡大。これにより、コアウィーブはAI向けデータセンター構築の中心的なプレイヤーの一角に位置づけられています。
エヌビディアとの強固な関係性が株価上昇の鍵に
調査会社メリウス・リサーチは、これらの提携がもたらす継続的な需要増に着目し、コアウィーブの目標株価を128ドルから165ドルに引き上げ、評価も「ホールド」から「買い」へと格上げしました。
注目すべきは、コアウィーブがエヌビディアの次世代AIシステムをいち早く受け取る立場にある点です。また、仮に自社クラウドの販売能力を超える供給余力が生じても、エヌビディアがその未販売分を購入する仕組みが構築されており、今後の売上見通しにも透明性が加わりました。
懸念点も残るが、成長ストーリーは維持
一方で、投資家の間では依然として懸念も残っています。大規模な電力供給の確保や資金調達構造に関する不安が根強く、実際に2025年6月からの株価は一時50%以上も下落しました。
しかし、同社はコア・サイエンティフィック(CORZ)の買収を通じて電力インフラを強化する計画を進めており、これが実現すれば供給能力のボトルネック解消につながる可能性があります。
将来の成長に向けた資金調達力と収益性
需要増加と2大顧客(エヌビディア、オープンAI)との強固な関係は、資金調達面でも有利に働くと予想されます。アナリストは、同社の契約が高収益かつキャッシュフローの貢献度が高いと分析しており、今後の成長資金も事業自体から賄える可能性を指摘しています。
コアウィーブ株は「買い」へ回帰か?
短期的には電力や競争環境など課題が残るものの、AI時代の中核を担うクラウド企業としての地位、そしてエヌビディアやオープンAIとの緊密な連携は、コアウィーブの評価を大きく押し上げる要因となっています。
市場の期待と現実の成長ストーリーが重なれば、コアウィーブの株価は再び大きく跳ね上がる可能性がありそうです。
*過去記事「AIブームは終わらない:アナリストがコアウィーブ株を格上げ」
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