2025年9月22日付のバロンズ記事では、「テックバブルはまだ始まったばかり」と題して、現在の米国テクノロジー株の強気相場が継続する可能性について詳しく解説されています。バンク・オブ・アメリカやウェルズ・ファーゴなど複数の専門家による見解をもとに、主にAIインフラ投資と金利環境の変化に焦点を当てています。
マグニフィセント・セブンのバブルはまだ続く
バンク・オブ・アメリカのマイケル・ハートネット氏は、アップル(AAPL)、アルファベット(GOOGL)、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)、メタ・プラットフォームズ(META)、テスラ(TSLA)、エヌビディア(NVDA)からなる「マグニフィセント・セブン」がさらなる上昇余地を持っていると指摘しています。これらの銘柄は2023年3月以降で225%の上昇を見せており、過去のバブルと比較しても上昇の余地があるとの見解です。
過去のバブルと比べてもバリュエーションはまだ余地あり
ハートネット氏によると、過去の10の株式バブルの平均上昇率は244%、PERは最大で58倍に達していました。現在のマグニフィセント・セブンのPERは39倍であり、まだ過熱感があるとは言い切れないとしています。
ブロードコムを含めた利益成長率の高さ
データトレック・リサーチのジェシカ・レイブ氏は、テスラの代わりにブロードコム(AVGO)を加えた構成で見た場合、直近90日間の利益予想の上昇幅がS&P500を大きく上回っていると指摘します。第4四半期の利益見通しは4.2%増、2026年通期では6.1%増となっており、S&P500の0.8%、1.4%に比べて明らかに強い動きです。
AIインフラ投資は「序盤戦」
ウェルズ・ファーゴのオスン・クォン氏は、AI関連の設備投資が米経済成長をけん引しつつあるが、PCブーム(1980年代)やインターネットバブル(1990年代後半)の頃に比べれば、GDPへの貢献度はまだ低いと述べています。2025年第2四半期のテック支出はGDPの2%に過ぎず、過去のピーク(2.6~2.9%)には達していません。つまり、まだ「音楽は鳴り始めたばかり」だというのです。
利下げ開始と相場の上昇期待
2025年9月には米連邦準備制度理事会(FRB)が今年初めての利下げを実施し、市場環境が変化しています。エバコアISIのジュリアン・エマニュエル氏によれば、1970年以降のデータでは、FRBが利下げを始めた12ヶ月後のナスダックの平均上昇率は13.6%に達しているとのことです。同氏は、2026年末にS&P500が7,750ポイントに達すると予測しています。
終わりに
この記事が示す通り、テックバブルの様相は強まりつつあるものの、歴史的な観点から見ればまだ“初期段階”と捉えることも可能です。AIインフラや生成AI関連の投資が続く限り、この強気相場は持続する可能性があります。個人投資家としては、過度な恐怖ではなく、押し目を買う姿勢が求められているのかもしれません。
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