米国の投資情報メディア「バロンズ」は、2025年9月17日付の記事で、在宅医療サービス最大手であるオプション・ケア・ヘルス(OPCH)を「買い」と評価しました。記事では、同社が在宅医療市場の成長を取り込んでいる点や、割安なバリュエーションが強調されています。株価の上昇余地は37%に達するとの見方も示されており、長期投資家にとって注目すべきタイミングといえそうです。
成長する在宅医療市場に注目
米国では、慢性疾患や急性疾患を抱える高齢者を中心に、入院ではなく「自宅での治療」を選ぶ動きが加速しています。こうしたトレンドはコロナ禍以降さらに強まり、在宅点滴治療市場は2030年まで年平均8.6%の成長が予測されています。
オプション・ケア・ヘルスは、全国170以上のクリニックと訪問看護によって、高度な点滴治療を提供するリーディングカンパニーです。社員数は5,000人超にのぼり、製薬会社や保険ネットワークからの信頼も厚い存在となっています。
売上・利益の堅調な推移と株主還元
同社の2025年の売上は55億ドル超を見込んでおり、2019年比で2倍以上の成長です。第2四半期は売上15%増、調整後EPSは41セントで前年より11%増加しました。治療の一部をクリニックで行う比率が上がったことで、利益率も改善しています。
2025年通期の見通しも強気で、売上は13%増、EPSは1.65〜1.72ドルが予想されています。今年初めには5億ドル規模の自社株買い枠も承認しており、株主還元姿勢も明確です。
ステララ価格調整の影響とその克服
2024年末には、主力薬の1つであるステララ(Stelara)の価格調整による収益への影響(6,000万~7,000万ドル)が懸念されましたが、会社側は長期的な影響は限定的と説明しています。他の薬剤への依存度が低く、公的医療保険の比率も全体の12%にとどまっており、事業ポートフォリオの多様性がリスクを吸収しています。
JMP証券のアナリストは、ステララの調整を織り込んだことで「治療ポートフォリオの不確実性が低下した」と評価し、目標株価を38ドルに設定しています。
業界再編と法改正の追い風も
2025年初にはIntramed Plusを買収し、米南東部での展開を強化するなど、M&Aによる成長戦略も加速しています。また、米議会では「在宅点滴治療へのアクセス拡大」を目的とした法案が提出されており、制度面の追い風も期待できます。
競合他社にはブライトスプリング・ヘルス・サービシズ(BTSG)などもありますが、同社は純粋な在宅点滴専門モデルと全国ネットワークを武器に、差別化された立ち位置を維持しています。
テクニカル視点と株価の下値メド
株価は2022年以降、25ドル〜35ドルのレンジで推移しており、25ドルが長期サポートラインとなっています。2025年8月下旬の安値近辺から反発しており、モメンタムが続けば2026年前半にはレンジ上限回帰が視野に入ります。
まとめ
バロンズによる高評価、堅調な業績、割安な株価水準、法制度の後押し、そして戦略的なM&A。これらを背景に、オプション・ケア・ヘルスは今後も長期的に魅力的な成長株として投資家の注目を集める可能性があります。
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