AI向けクラウドコンピューティングを提供するコアウィーブ(CRWV)に対し、米証券会社レイモンド・ジェームズが新たに強気のレポートを発表しました。同社は、同銘柄を「アウトパフォーム(市場平均を上回る)」に格付けし、目標株価を130ドルに設定しています。
2028年のAI投資は9000億ドルに?
レイモンド・ジェームズは、アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)、マイクロソフト(MSFT)、オラクル(ORCL)、そしてコアウィーブの「AI6社」が、2028年には合計で9000億ドルの資本支出を行うと予測しています。これは現在のストリートコンセンサス(5500億ドル)を大きく上回る数値です。
この予測が実現すれば、GPUインフラをクラウド上で提供するコアウィーブにとっては大きな追い風となります。同社は、すでにエヌビディア(NVDA)と63億ドル規模のクラウド契約を締結しており、業界での存在感を急速に高めています。
チャットボット需要も追い風に
レイモンド・ジェームズは、今後チャットボットの利用がさらに拡大し、最大で1日20億人のアクティブユーザーに到達する可能性があると指摘しています。これは、現在のChatGPTの週次利用者数(7億人)を大きく上回る規模です。
こうしたAIアプリケーションの普及は、より多くの計算資源を必要とするため、コアウィーブのようなGPUクラウド事業者にとっては構造的な成長要因になります。
コアウィーブの強みは経営陣にも
レポートでは、コアウィーブの経営陣についても高く評価されています。同社は4人の共同創業者によって率いられており、AIクラウドスタックの複雑な構築やソフトウェアの拡張、顧客層の多様化などを的確に進めているとされています。
このままいけば、2027年までに年間売上を200億ドル規模に成長させる可能性があるとアナリストは見ています。
市場には慎重な声も
一方で、全体的なAI投資に対しては「過剰投資」懸念もあります。例えば、マイクロソフトは2025年初頭に一部のデータセンターオペレーターとのリース契約をキャンセルしており、一時的に市場に不安が広がりました。
とはいえ、Citizens JMPも同日、コアウィーブを「マーケット・アウトパフォーム」に格上げし、目標株価を180ドルに設定しています。こちらはGPU as a Service(クラウド上のGPU提供)需要の加速や、オラクルの記録的なバックログ(契約残高)を背景とした評価です。
ウォール街の評価は割れる
ファクトセットによると、現在コアウィーブをカバーする27社のうち、10社が「買い」もしくは同等評価を、15社が「ホールド」、2社が「売り」としています。市場の見方は割れているものの、AIインフラの成長に賭けるならば、注目すべき銘柄のひとつと言えるかもしれません。
*過去記事「コアウィーブに追い風!エヌビディアとの長期契約が明らかに」
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