コアウィーブ急騰の裏にある「AIクラウド需要」の真相とは

  • 2025年9月11日
  • 2025年9月11日
  • BS余話

AIインフラ需要の高まりを背景に、クラウドコンピューティング企業コアウィーブ(CRWV)の株価が急騰しています。2025年9月10日時点で、わずか4営業日で38%の上昇、特に10日だけで一時20%を超える急伸を見せました。

株価上昇の背景にあるポジティブニュース

コアウィーブの株価上昇を後押しした要因は複数あります。まず、AI市場全体のインフラ需要が再評価されていることです。たとえば、オープンAIは2029年までの累積キャッシュバーンを従来見通しより800億ドル多い1150億ドルに引き上げました。この大幅な修正は、クラウドインフラへの支出増を意味し、コアウィーブのような企業への追い風となっています。

さらに、マイクロソフト(MSFT)がネビウス・グループ(NBIS)との間で174億ドルのインフラ契約を締結。大手テック企業が自社でデータセンターを構築するのではなく、外部パートナーに依存する流れが強まっています。この動きは、コアウィーブにも同様の需要が波及するという期待を生み出しました。
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また、ゴールドマン・サックスのテックカンファレンスで、同社開発責任者Brannin McBee氏が「推論需要の新たな転換点が来ている」と述べたことも、投資家心理を一段と押し上げています。

オラクルとの関連、そしてオープンAI需要の影響

オラクル(ORCL)の好調な決算発表もコアウィーブの株価に影響を与えました。同社は複数の数十億ドル規模の契約をパイプラインに抱えていると発表しており、その中にはオープンAIとの300億ドル契約も含まれます。コアウィーブもオープンAIと関係を持つとされ、これが連想買いを呼びました。
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アナリストは冷静な視点も提示

一方で、モフェットナサンソンのアナリストNick Del Deo氏は慎重な姿勢を崩していません。同氏は、コアウィーブのインフラ提供能力は「唯一無二ではなく、競合他社にも再現可能」であるとし、同社を中立評価とし、目標株価は65ドルに設定しています。

特に懸念されるのは、オープンAIがクラウド需要の中心となっている点です。需要が一社に偏ることで、将来的には価格交渉力の低下=マージンの縮小につながる可能性があると指摘されています。

差別化こそが今後のカギ

現在は供給不足により価格決定権を握るコアウィーブですが、将来的には他のネオクラウド企業との競争激化が見込まれます。Del Deo氏は、同社が成功を継続するためには、AI需要という追い風だけに頼るのではなく、独自の技術スタックや差別化されたサービスが必要であるとしています。

まとめ

コアウィーブはAI時代の成長株として注目を集めていますが、現在の株価上昇には熱狂的な側面も見られます。投資判断においては、短期的な需要動向だけでなく、競争環境や顧客構造、そして技術的な差別化の有無など、中長期的な視点が重要です。

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