アメリカの半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、2025年第2四半期の決算で予想を上回る売上を発表しました。AI関連の需要拡大とともに、通期に向けての力強い見通しを示しましたが、発表後の株価は下落しました。
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第2四半期の決算は市場予想を上回る内容に
AMDの調整後1株利益は48セントで、ファクトセットがまとめたアナリスト予想と一致しました。一方、売上は77億ドルと、予想の74.2億ドルを上回りました。
データセンター部門の売上は前年同期比で14%増の32億ドルとなり、AI需要が引き続き追い風となっています。
第3四半期見通しは強気、AI関連製品に強い手応え
同社は第3四半期の売上見通しについて、中央値で87億ドルを予想しており、これは市場予想の83.2億ドルを上回ります。リサ・スーCEOは、「コンピューティングおよびAI製品群に対する需要は堅調であり、年後半にかけて大きな成長を見込んでいる」と述べています。
また、6月にはエヌビディア(NVDA)に対抗する最新のAIチップ「Instinct MI350シリーズ(MI350XおよびMI355X)」を発表しました。
株価下落の背景は「織り込み済み」の期待感か
発表後、AMDの株価は一時上昇したものの、その後反落し、アフターマーケットでは3%下落しました。2025年に入ってからの株価は44%上昇、過去3カ月では73%の急騰となっており、すでにAIインフラ需要拡大に対する期待が強く織り込まれていた可能性があります。
ZT Systems買収で「フルスタック」ソリューションへ
AMDは今年3月、ZT Systemsの買収を完了し、チップからネットワーク、ソフトウェアまでを一体化したラックスケールAIサーバーの設計力を強化しました。これは、AIデータセンター分野におけるフルスタックソリューションを推進するエヌビディアに対抗する戦略の一環です。
スーCEOは決算説明会で、来年リリース予定の「MI400シリーズ」に対しても「非常に強い顧客の関心がある」と述べました。
今後の展望とAIインフラ需要
スーCEOは「我々は業界全体のAI変革の初期段階にあり、すべての市場で計算需要が飛躍的に増加する」と述べており、長期的な収益と利益の成長に自信を示しています。
AI関連の設備投資が各社で拡大する中、AMDがどこまでエヌビディアに迫れるか、今後も注目が集まります。
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