2025年7月30日、エヌビディア(NVDA)の株価は前日の下落を取り戻す形で上昇しました。大手テクノロジー企業の決算発表を前に、投資家の期待が高まっています。
この日午前の取引で、エヌビディア株は1.8%高の178.63ドルをつけました(米国東部夏時間11:05現在)。前日は0.7%下落していましたが、モルガン・スタンレーが同社の目標株価を170ドルから200ドルに引き上げたことで買いが集まっています。
モルガン・スタンレーが強気継続 AI需要が成長をけん引
モルガン・スタンレー(MS)のアナリスト、ジョセフ・ムーア氏は、最新のリサーチノートで「エヌビディアのAIチップ『ブラックウェル』への需要は、同社の供給能力を上回るペースで拡大している」と指摘しました。
目標株価は2026年の予想利益に対してPER33倍を基準に算出されています。ムーア氏は、「供給の制約が成長のスピードを左右するものの、年後半には供給が改善し、1株利益の上方修正が加速する可能性がある」と述べています。
マイクロソフトとメタの決算が次のカタリストに
今後の注目材料としては、マイクロソフト(MSFT)とメタ・プラットフォームズ(META)の決算発表があります。両社はエヌビディアの主要顧客であり、AIインフラへの支出がどの程度継続するかが焦点となります。
また、自社開発チップへの移行が進んでいるかどうかも注目点です。こうした動きがエヌビディアのハードウェア需要に影響を与える可能性があるため、決算内容に敏感な反応が予想されます。
新興企業グロックがライバルに浮上
エヌビディアの競合として注目されているのが、スタートアップのグロックです。ブルームバーグの報道によれば、グロックは評価額60億ドルで6億ドルの資金調達を進めているとのことです。
グロックはAIモデルの出力処理(推論)に特化した高速チップを開発しており、サウジアラビアのヒュメインと契約を結んだ実績があります。同社もエヌビディアのチップを使用しており、今後の市場シェア争いが注目されます。
他の半導体企業の株価も上昇
この日の市場では、他の半導体関連企業の株価も上昇しました。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は0.5%、ブロードコム(AVGO)は1.0%上昇しています。
AI関連需要の拡大は、業界全体の株価上昇を支える大きな要因となっており、今後も主要企業の決算動向や新製品戦略が注目されます。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA