ソフトウェア株が注目される理由──関税リスクからの避難先として

2025年7月9日、米国の投資情報メディア『バロンズ(Barron’s)』が、関税リスクが高まる中で「ソフトウェア株が魅力的な投資先になっている」と報じました。ドナルド・トランプ大統領による関税政策への懸念が強まる一方、ソフトウェア企業はその影響を受けにくく、投資家にとって“避難場所”として機能しているという見方が紹介されています。

ソフトウェア企業は物理製品に依存しない

報道によると、ソフトウェア企業は物理的な部品や製品を大量に仕入れる必要がないため、関税による価格上昇の影響を受けにくい構造を持っています。そのため、関税が導入されても業績が大きく崩れにくく、他セクターに比べて株価も安定しやすいとされています。

実際、テック系ソフトウェアETF「iShares Expanded Tech-Software Sector ETF」は、市場全体が軟調となる中でも下落幅が小さく抑えられています。

税制改正がキャッシュフローを押し上げる

記事では、最近成立した米国の税制改正にも注目しています。研究開発費(R&D)を即時償却できるようになったことで、短期的な利益は減少しても、自由キャッシュフローが増加する企業が多いと指摘されています。

特に、オクタ(OKTA)、オートデスク(ADSK)、クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)の3社は、この税制変更による恩恵が大きいとモルガン・スタンレーのアナリストが分析しています。

米ドル安とAI投資が追い風に

さらに、2025年4月以降の米ドル安が続いており、海外売上を多く持つソフトウェア企業の収益にプラスの効果をもたらしているとも紹介されています。アナリスト予想が大きく変わっていない中、為替による“上振れ要因”が第2四半期の業績にポジティブに働く可能性があります。

加えて、AI(人工知能)関連のソフトウェア需要が堅調に続くことで、2025年末から2027年にかけて、同セクターの企業の売上成長率は年平均11.5%が期待されています。マイクロソフト(MSFT)オラクル(ORCL)など、AI対応製品を展開する企業が今後の主役となりそうです。

割高なバリュエーションにも正当性

ソフトウェアETFの予想PERは38.8倍と高水準ですが、成長率を考慮したPEGレシオでは1.9倍にとどまり、過去の平均と比較しても過度な割高感はないとされています。業績が市場予想を上回るようであれば、株価の上昇余地は十分にあるとの見方が示されています。

注目すべきバロンズの視点

今回の『バロンズ』によるレポートは、短期的な関税リスクと長期的な成長機会の両面からソフトウェア株の強みを解説しています。物理的な供給網に依存しない業態、政策的な追い風、そしてAI時代の中核を担う可能性──これらの要素を踏まえれば、ソフトウェア株は今後のマーケットでも注目すべき存在といえます。

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