データドッグ株が急落、グッゲンハイムが「売り」に格下げ──オープンAIの離脱が業績に影響か

クラウドベースの監視およびデータ分析プラットフォームを提供するデータドッグ(DDOG)の株価が7月8日の米国市場で大きく下落しました。背景にあるのは、グッゲンハイム証券による投資判断の引き下げと、主力顧客の離脱リスクです。

グッゲンハイムが「売り」に格下げ、目標株価は105ドルに

米証券会社グッゲンハイムのアナリストチームは、データドッグ株の投資判断をこれまでの「中立」から「売り」に引き下げ、目標株価を105ドルとしました。アナリストは、生成AI企業による支出の見直しが今後の売上に与える影響を懸念しています。8日の市場で同社株は146ドルあまりで取引されており、設定された目標株価はここから28%近くの下落リスクがあることを意味します。

とくに注目されているのが、ChatGPTを提供するオープンAIの動向です。アナリストによれば、オープンAIはコスト削減を目的に、従来データドッグに依存していたログ管理や監視機能を、社内で構築した独自ソリューションに切り替えつつあるとのことです。

S&P500入りで注目も、足元では逆風

データドッグは7月9日付でS&P500指数に採用される予定であり、このニュースは一時的な株価上昇をもたらしました。しかし、今回の格下げと将来の売上懸念が、株価の重しとなっています。

グッゲンハイムは、オープンAIの離脱によって2026年には最大1億5,000万ドル規模の売上減少が生じる可能性があると試算しています。他の顧客からの売上で補うことも期待されますが、IT支出全体が鈍化している現状では、すぐにカバーするのは難しいという見方です。

業績見通しに「上振れ余地」も残る

一方で、グッゲンハイムは2025年第2四半期には前年同期比25%の売上成長を見込んでおり、短期的には予想を上回る決算となる可能性も指摘しています。また、第3四半期についても、コンセンサス予想の18.5%成長は維持できると予測しています。

データドッグは現時点で顧客構成について公式コメントを出しておらず、今後の四半期決算での説明が注目されます。


まとめ

今回の格下げ報道は、AI分野におけるSaaS企業の収益構造が、特定顧客への依存リスクを抱えていることを改めて浮き彫りにしました。S&P500入りという好材料がある一方、成長性に対する投資家の目線は厳しくなりつつあるようです。

企業のコメントや次回決算発表を通じて、今後の成長シナリオが明確になることが期待されます。

*過去記事はこちら データドッグ DDOG

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