AMD、AIインフラ新製品を発表し株価が急上昇

  • 2025年6月17日
  • 2025年6月17日
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アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価は、2025年6月16日(月)の米国市場で9.5%上昇しました(米国東部夏時間11:50現在)。サンノゼで開催された「Advancing AI」イベントにおいて、同社が新たなAIインフラ向け製品群を発表したことが、投資家から高く評価されたことが背景にあります。

AMD Instinct MI350と次世代Heliosラックを発表

同イベントでは、「AMD Instinct MI350」シリーズが正式に発表されました。これはAIチップ市場で圧倒的なシェアを誇るエヌビディア(NVDA)に対抗することを意識した設計となっており、高性能かつ大規模なAIモデルの学習・推論に対応するものです。

さらに、2026年に登場予定の次世代「Helios」ラックについてもプレビューが行われました。このHeliosは、最大72基のInstinct MI400チップを1つのサーバー構成に搭載可能であり、大規模AI処理に最適化されたハードウェアです。AMDのリサ・スーCEOは、「Heliosの登場により、AIスケーラビリティの新たな基準を打ち立てる」と述べています。

株価上昇の背景とアナリスト評価

イベント当日の12日には株価が一時下落し、13日も横ばいで推移していましたが、週明けの月曜の16日には一転して急騰しました。株価は127.2ドルを記録し、S&P500種株価指数およびナスダック100の構成銘柄の中で最も好調なパフォーマンスを示しました。

投資銀行パイパー・サンドラーは、イベントとその後のアナリスト向けカンファレンスを受けて、AMDに対する「オーバーウエイト」の評価を継続し、目標株価を125ドルから140ドルに引き上げました。特にHeliosラックに注目が集まっており、製品群全体に対して前向きな評価を示しました。

地政学リスクと中国輸出規制の影響

2025年4月、AMDはアメリカ政府による対中輸出規制強化により、年間で最大8億ドルの売上損失が発生する可能性があると発表しました。これにより、第2四半期および第3四半期の粗利益率は縮小する見込みです。

それにもかかわらず、パイパー・サンドラーのアナリストは「AMDは短期的には困難な状況にあるが、2025年後半、特に9月期から成長の兆しを見せる可能性が高い」と述べており、「12月期には大きな成長が見込める」としています。

株価変動と今後の見通し

AMDの株価は過去1年間で大きく変動してきました。2024年7月10日に記録した52週高値183.96ドルからは31%下落していますが、2025年4月8日に記録した52週安値78.21ドルからは63%の上昇となっています。

エヌビディアも同日2.6%の株価上昇を記録しており、AI関連セクター全体に引き続き注目が集まっています。

*過去記事はこちら  AMD

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