話題のフィンテックIPO、チャイム・ファイナンシャルが上場へ!初値は急騰なるか?

  • 2025年6月12日
  • 2025年6月12日
  • BS余話

2025年6月12日、米国のデジタルバンク大手チャイム・ファイナンシャル(CHYM)がナスダック市場に上場します。IPO市場が再び活気づく中、チャイムは投資家の大きな注目を集めている銘柄です。

サークル、ボイジャーに続く、話題のフィンテックIPO

チャイムのIPOは、先週上場したステーブルコイン企業サークル・インターネット・グループ(CRCL)に続くものです。サークルの株価は上場初値からすでに270%超上昇しており、IPO市場の地合い改善を象徴する動きとなっています。
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また、防衛・宇宙関連のボイジャー・テクノロジーズ(VOYG)も、想定価格を大きく上回る水準で11日に上場し、終値は57.13ドルで公開価格を84.6%上回りました。
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こうした成功例がチャイムの株価にも追い風となりそうです。

チャイムのビジネスモデルと急成長の背景

チャイム・ファイナンシャルは、FDIC(連邦預金保険公社)の保護を受ける2つの銀行と提携し、オンラインの当座預金口座や普通預金口座、その他の金融サービスを提供しています。

人気サービスには、給料の一部を最大500ドルまで早期に引き出せる「MyPay」や、手数料なしの当座貸越「SpotMe」などがあります。若年層を中心に高い支持を集めており、「低コスト」「使いやすさ」を武器にユーザー数を拡大しています。

主な収益源は、チャイムブランドのデビット・クレジットカード利用時にカードネットワーク(Visaなど)から受け取るインターチェンジ手数料です。

2024年の売上は前年比30%以上増加し、2025年第1四半期も32%の成長を記録しました。2024年の通期では2,500万ドルの赤字でしたが、前年より損失は縮小。さらに2025年第1四半期には黒字化を達成しています。

評価額は過去の半分以下、だが市場の期待は高まる

IPOの仮条件は1株あたり24〜26ドルで、上限で決まった場合の時価総額は約95億ドル。ストックオプションや引受人による追加取得分も含めた希薄化後ベースでは111億ドルとなります。

これは過去のプライベートラウンドで付けられた250億ドルの評価額からは下がっていますが、直近のIPO市場の好調ぶりを受けて、実際の公開価格は仮条件を上回る可能性も指摘されています。上場初日の大幅な上昇も視野に入りそうです。

デジタルバンキングの需要は今後も拡大か

チャイムのようなモバイルバンキング企業は、従来の銀行が対応しきれていないニーズを的確に捉えており、年々存在感を強めています。

ベンチャー投資会社レスティブ・ベンチャーズのマネージング・パートナー、ライアン・ファルビー氏は「こうした企業は実際の課題を解決しており、今や大規模で質の高いサービスを提供するビジネスに成長している」と述べています。

同様の業態であるデイブ(DAVE)の株価も、2025年に入ってから165%上昇し、過去12か月では500%以上のパフォーマンスを記録しています。チャイムにも同様の期待が寄せられています。

IPO後の焦点は黒字維持と成長戦略

チャイムがIPOで得た資金をどのように成長戦略に活用するのか、そして黒字化を維持できるかが今後の注目ポイントです。デジタルバンキング市場の成長余地を考えると、同社のビジネスには大きな可能性があります。

IPO市場の地合いが改善する中、チャイムの上場は今後のフィンテック業界全体にとっても重要な試金石となりそうです。

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