デル・テクノロジーズ(DELL)は5月29日、2025年4月期の第1四半期決算を発表しました。売上は234億ドルで、前年同期比5%増となり、アナリスト予想の232億ドルを上回りました。しかし、調整後1株当たり利益は1.55ドルにとどまり、市場予想の1.70ドルを下回る結果となりました。
第2四半期見通しは強気も、通期ガイダンスに物足りなさ
同社は第2四半期の売上高見通しとして、285億ドル〜295億ドルというレンジを提示し、アナリスト予想(253億ドル)を大きく上回りました。また、2026年度通期の売上高見通しは1010億ドル〜1050億ドルで据え置かれ、市場予想の1031億ドルとほぼ一致しています。
デルの最高執行責任者(COO)であるジェフ・クラーク氏は、「当社のAI最適化サーバーに対する需要はかつてないほど高まっている」と述べています。
初動は株価上昇も、その後マイナスに転じる
決算発表後、株価は時間外取引で5.6%上昇しましたが、翌日の30日の米国市場では一転して2.3%下落し、111ドルで取引されています(米国東部夏時間14:00現在)。通年のガイダンスに大きな上方修正がなかったことが、投資家の失望を招いたと考えられます。
JPモルガンのアナリストであるサミク・チャタジー氏は、顧客向けメモで「第2四半期の展開は力強いものの、経営陣は通期の大幅な上振れには慎重な姿勢を崩していない」と指摘しました。
デルはAIインフラの重要プレイヤー
デルはAI用途に最適化されたサーバーやコンピュータの主要供給元として注目を集めています。クラウドコンピューティング企業のコアウィーブ(CRWV)や、イーロン・マスク氏率いるxAIもデルのハードウェアをAIインフラ構築に活用しています。
2025年に入ってからのデル株は、年初来で約3%の下落となっています。
*過去記事はこちら デル・テクノロジーズ DELL