米国政府がAI半導体輸出規制を撤回、エヌビディアなど半導体株が上昇

米国商務省がAIプロセッサーの輸出に関する新たな規制を導入しない方針を示したことを受け、5月8日のプレーマーケットで半導体関連株が上昇しました。この方針転換によりエヌビディア(NVDA)の株価はプレマーケットで1.6%上昇し、118.97ドルとなりました。

同様に、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価も1.7%上昇し、ブロードコム(AVGO)は2.2%の上昇となっています。

バイデン政権の規制案をトランプ政権が撤回

この動きは、商務省がバイデン政権下で準備されていたAIプロセッサー輸出に関する「AIディフュージョン・ルール」を実施しないと発表したことに端を発しています。この規制案は5月15日から発効予定で、現行の中国向け輸出制限を超える広範な規制が盛り込まれていました。

BofA証券のアナリストによると、この規制が実施された場合、AIチップ市場の長期的成長見通しは最大で10%縮小する可能性があるとされていました。

エヌビディアが新方針を歓迎

エヌビディアは今回の政府の方針転換について歓迎の意を表し、「AIディフュージョン・ルールの撤回により、アメリカは次の産業革命を主導する千載一遇のチャンスを得ることができる」とのコメントを発表しました。

ただし、規制撤回の後に新たな規制が導入される可能性も残っており、今後の動向には注意が必要です。報道によると、ホワイトハウスは特定の国との二国間協定の中で、AIプロセッサー輸出に制限を加える可能性も検討しているようです。

中東訪問が鍵を握る可能性

来週、トランプ大統領が中東を訪問する予定であり、この訪問中にAIチップの輸出が議題となる可能性が高まっています。レイモンド・ジェームズのアナリスト、エド・ミルズ氏は、「トランプ大統領はサウジアラビアやアラブ首長国連邦を皮切りに、世界的にAIチップの輸出総量を拡大する方針を打ち出すと見られる一方、中国への転売を防ぐための監視強化も併せて進められる見通しだ」と述べています。

今回の規制緩和を受け、エヌビディアをはじめとする米国半導体企業は、世界市場での販売機会拡大という追い風を受けることになりそうです。今後の政策動向と国際交渉の行方が、AI関連株の動きを大きく左右することになります。

*過去記事「エヌビディアに追い風!トランプ大統領がAIチップ輸出ルールを見直しへ

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