オクタが示す明るい業績見通し – AI時代のセキュリティ需要拡大が追い風に

近年、すべてのソフトウェア企業が明るい見通しを示しているわけではありません。しかし、3月3日に四半期決算を発表したオクタ(OKTA)は、今後の業績についてポジティブな見解を示しました。クラウドベースのソフトウェアおよびアイデンティティ・アクセス・ソリューションを提供する同社は、正規の許可を得たユーザーが職場のアプリケーションにアクセスできるよう支援する企業であり、企業向けのID管理ソリューションを提供しています。

2025年度の売上について、オクタは 28億5000万ドルから28億6000万ドル の範囲と予測しており、アナリストのコンセンサス予想である27億9000万ドルを上回りました。また、2025年度第1四半期の売上予測は 6億7800万ドル〜6億8000万ドル となっており、市場予測の6億7000万ドルを超えています。

第4四半期の好調な業績が今後の成長を支える

オクタの最高経営責任者(CEO)であるトッド・マッキノン氏は、最新の決算内容について、「 第4四半期の業績が非常に好調だったことが要因のひとつだ。第4四半期の予約の多くが来年度の売上として反映されるためだ 」とコメントしています。ただし、同氏は依然として「慎重な見通し」を維持しており、「 非常に達成可能な範囲 」とも述べています。

この発表を受けて、オクタの株価は時間外取引で 16%上昇 しました。一方で、競合他社である セールスフォース(CRM)サービスナウ(NOW) は、決算発表シーズンの早い段階で市場予測を下回る業績見通しを示し、投資家の期待に応えることができませんでした。

企業の需要拡大が追い風に

マッキノン氏は、「 最新の四半期はオクタにとって大成功の期間だった 」と述べています。同社の新製品が顧客に受け入れられただけでなく、 大企業からの支持がさらに高まっている ことも、成長の後押しとなっています。

もともとオクタは中規模企業を主な顧客としていましたが、近年ではより大規模な企業にも導入が進んでいます。特に 100万ドル以上の年間契約を結ぶ顧客層が順調に成長 しており、企業向けのID管理市場での影響力を拡大しています。

最新の決算によると、 直近の四半期の売上は6億8200万ドルで、前年同期比13%の増加 となりました。市場予測の6億6900万ドルを上回り、同社の業績が安定的に成長していることを示しています。

AIの普及でオクタの需要がさらに拡大

マッキノン氏は、人工知能(AI)の普及が進む中で、オクタのセキュリティソリューションに対する需要が拡大すると見ています。同社は、AIを活用した業務効率化を推進しているだけでなく、 他のソフトウェア企業が「AIエージェント」と呼ばれるAIベースの作業支援システムを構築する過程で、新たな市場機会を得る可能性がある と指摘しています。

従業員が複数のアプリケーションにログインするのと同じように、AIエージェントにも適切なセキュリティ対策が必要です 」とマッキノン氏は述べています。「 エージェントが実行するすべての動作には、適切な権限とセキュリティが求められます。

オクタの成長を支える今後の市場動向

オクタの事業は、クラウドベースのID管理ソリューションの市場拡大とともに成長を続けています。特に以下の要因が、同社の成長を後押しすると考えられます。

  1. 大企業向けビジネスの拡大
    • 100万ドル以上の契約を持つ企業顧客の増加
    • 中小企業市場に加え、大手企業の採用が加速
  2. AIとセキュリティの融合
    • AIエージェントの活用が進むことで、オクタのID管理技術が必要不可欠に
    • 企業のAI活用が増加するほど、セキュリティ対策の重要性が増す
  3. 競合との差別化
    • セールスフォースやサービスナウと比較して、成長率が高い
    • AI活用を含めた次世代セキュリティ技術の導入により競争力を強化

まとめ

オクタは、 2025年度の売上予測を市場の期待以上に設定し、好調な業績を維持しています。 第4四半期の強い予約状況が今後の売上を支えるほか、 大企業からの需要拡大やAIセキュリティ市場の成長が、同社のさらなる成長を後押しする可能性があります。

今後もAIの発展とともに、 オクタの技術はより重要性を増していくと思われます。競争が激化するソフトウェア市場において、 オクタがどのように成長を遂げるのか注目されます。

*過去記事はこちら オクタ OKTA

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG