アップル株、下落の可能性が高まる理由:空売りと業績懸念に注目

アップル(AAPL)の株価は、2025年1月30日に予定されている12月期決算発表を控え、下落するリスクが高まっています。特に、空売りの動向やiPhone需要の低迷が注目されています。

空売りの増加:2020年以来の高水準

空売りとは、株式を借りて売却し、その後に安価で買い戻して利益を得る取引手法を指します。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、2024年12月時点でアップル株の約1億5700万株(発行済み株式の1%)が空売りされており、これは2020年8月以来の多さです。一方、S&P 500の浮動株平均空売り比率は2.8%と、こちらも2020年10月以来の高水準となっています。

2025年に入ってからの株価下落とその背景

アップル株は、昨年の堅調なパフォーマンスに反し、2025年に入ってから約10%下落しています。その要因として、以下の点が挙げられます。

iPhoneの需要減少

調査会社Canalysによると、2024年の中国におけるiPhone出荷台数が減少したため、アップルは市場シェアでVivoやHuaweiに次ぐ3位に転落しました。この影響で、需要減退への懸念が広がっています。

アナリストの株価見通しと格下げ

ジェフリーズのアナリストであるエディソン・リー氏は、アップル株を「ホールド」から「アンダーパフォーム」に格下げし、目標株価を211.84ドルから200.75ドルに引き下げました。また、リー氏は、「iPhoneの需要低迷が現実の問題となった」と述べ、顧客がスマートフォン向けAI機能に対する期待をまだ抱いていないことが不安要因として挙げられています。

AIソフトウェアの普及遅れ

アップルの新たなAIソフトウェア「Apple Intelligence」は、2024年6月に発表されましたが、その展開は遅々として進んでいません。ウォール街のアナリストは、このAIがiPhoneの売上向上に寄与するには時間がかかると見ています。

決算発表後の反発可能性

1月30日に発表される12月期決算では、売上が市場の期待を上回るかどうかが注目されます。一部のアナリストは、決算発表が株価の反発材料になる可能性を指摘しています。

割高感と長期的な成長期待

アップルの株価は予想利益の29.3倍で取引されており、割高と見られる一方、長期的な成長可能性も期待されています。ウェドブッシュのダン・アイブス氏は、「アップルに対する弱気な見方は行き過ぎである」とし、目標株価を325ドルと設定しています。エバコアISIのアミット・ダリヤナニ氏も、iPhoneの売上改善を期待し、アップルを「アウトパフォーム」と評価しています。

投資家への影響

投資家にとって、アップルの12月期決算発表は重要な注目点です。空売り筋と株主の双方が業績を慎重に見守り、売上の予測を超える結果が求められています。

アップル株の現状は、多くの課題を抱える一方で、長期的な成長シナリオに期待を寄せる声も根強い状況です。投資判断には、今後の業績動向をしっかりと見極める必要があります。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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