エヌビディア株、10%の調整局面:短期的な下落の背景と長期的な可能性

エヌビディア(NVDA)の株価が今週下落しました。これは、投資家心理が短期的な要素に支配されていることを示唆しています。1月10日の米国市場で同社の株価は3%下落し、終値は135.91ドルでした。これはテクノロジー株全般に圧力がかかっている中、インフレへの懸念が増加し、強い雇用統計の結果を受けたものです。

CESでの基調講演と株価の影響

今週初め、ラスベガスで開催されたテクノロジー関連展示会「CES」におけるジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)の基調講演を受け、エヌビディアの株価は下落しました。講演では、長期的な展望に焦点が当てられましたが、投資家が期待していた詳細な財務情報やデータセンターのロードマップが不足していると感じられたことが原因とされています。特に、四半期ごとの売上に関する具体的な展望が示されなかったことが不満を生んだようです。

さらに、HSBCのアナリスト、フランク・リー氏は、エヌビディアの新製品「Blackwell」について、「サプライチェーンの余剰」を指摘しました。これにより、同社が売上の上振れを示す可能性は短期的に限定的になる可能性があると述べています。

株価下落の背景と今後の見通し

エヌビディアの株価は週間で3%下落しました。さらに、6日に記録した終値の史上最高値からは10%の下落となっています。

しかし、こうした足元の下落にもかかわらず、メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏は、エヌビディアが自動運転やロボット工学といった新たな市場で大きな可能性を秘めていると指摘しています。これらの市場はそれぞれ数兆ドル規模の価値を持つ可能性があり、同社にとって非常に広がりのある総対象市場となると述べています。

投資家心理が短期志向に傾く

エヌビディアの急落は、ウォール街が長期的な可能性よりも短期的な業績や指標に注目していることを示しています。CESで示された同社の未来の成長ストーリーに関しても、市場の反応は冷静で、足元の数字に対する不満が目立ちます。

一方で、エヌビディアの長期的な市場機会を評価するアナリストも少なくありません。同社が描く未来図は非常に明るいものの、投資家の期待とのギャップが現時点での株価に影響を与えていると言えそうです。

今後の注目点

エヌビディアの株価が短期的な調整局面にある一方で、同社の技術的リーダーシップと新市場への進出は中長期的には大きな魅力を持っています。投資家としては、短期的な市場の動きではなく、エヌビディアが持つ長期的な成長可能性に注目することが重要です。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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