ウォーレン・バフェットの最新投資戦略:原則に反した行動の意図とは?

  • 2024年12月22日
  • 2024年12月22日
  • BS余話

ウォーレン・バフェット氏が提唱する「勝者と付き合い、負け組には投資しない」という投資哲学は、多くの投資家に影響を与えています。しかし、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の最近の投資行動を見ると、この原則に反しているようにも見える側面があります。

バフェット氏の投資哲学

1988年の年次株主宛て書簡で、バフェット氏はピーター・リンチ氏を称賛し、同氏の「花を切り、雑草に水をやる」という例えを紹介しました。この例えは、業績が好調な企業を早期に売却し、逆に期待外れの企業を持ち続けることの愚かさを示しています。

この哲学を実践する形で、バークシャーはアメリカン・エキスプレス(AXP)やコカ・コーラ(KO)など、長期的な勝者と共に成長してきました。しかし、アップル(AAPL)の売却は、この哲学から外れているように見えます。

アップル株の一部売却の影響

バークシャーは今年、アップルの保有株を約3分の2の3億株に削減しました。この動きにより、350億ドル以上の売上を見逃し、200億ドルの税金を支払う必要があると報じられています。

オクシデンタル・ペトロリアムの追加購入

オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)の株価は今年大幅に下落しており、バークシャーの平均取得価格を下回る水準で取引されています。それにもかかわらず、バークシャーは最近、同社の890万株を約4億500万ドルで購入しました。これにより、バークシャーのオクシデンタル保有株は2億6,420万株に増加し、同社の28%の株式を約120億ドル相当保有することになりました。

オクシデンタルは近年、バフェット氏の最大の投資の一つであり、この株価低迷時の購入は長期的視点に基づいている可能性があります。

シリウスXMホールディングスへの投資

バークシャーはまた、シリウスXMホールディングス(SIRI)の株式を追加購入しました。今年の株価が約60%下落しているにもかかわらず、500万株を約1億ドルで取得しました。同社の保有株は現在、1億1,750万株、23億ドル相当で、株式の約35%に相当します。

シリウスXMの投資は、バークシャーの投資マネージャーであるテッド・ウェシュラー氏が管理していると見られています。同社には高齢化する顧客層や100億ドルを超える負債といった課題がありますが、バークシャーは長期的な成長を見込んでいると考えられます。

ベリサインの追加購入

バークシャーはさらに、インターネットドメイン名登録サービスを提供するベリサイン(VRSN)の株式を約4,500万ドル分追加購入しました。同社の株式は現在、1,300万株、約25億ドル相当保有されています。過去10年間で同社の株価は200%以上の上昇を記録しており、バークシャーにとっては成功を収めている投資といえます。

まとめ

バークシャー・ハサウェイの最近の投資行動は、ウォーレン・バフェット氏の投資哲学に一見反しているように見える部分もありますが、長期的視点で見れば合理的な戦略である可能性があります。オクシデンタルやシリウスXMの購入は、短期的な市場変動ではなく、将来的な成長を見据えた動きであると考えられます。

*過去記事「バークシャー・ハサウェイ株価が過去最高!バフェット氏の戦略とは?

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