モルガン・スタンレーのアナリスト、ジョセフ・ムーア氏は、人工知能(AI)半導体市場における需要拡大を背景に、2025年の有望株としてエヌビディア(NVDA)、ブロードコム(AVGO)、アステラ・ラブズ(ALAB)の3社を挙げました。これらの企業は「オーバーウェイト」と評価されており、AIとデータセンター関連銘柄へのエクスポージャーを高めることが推奨されています。
「AIは引き続き最も重要な市場の推進力です」とムーア氏は述べ、これらの企業がAI市場における強力な成長を実現すると見込んでいます。
エヌビディア:最新GPU「Blackwell」が牽引する成長
ムーア氏は、エヌビディアの最新グラフィック処理ユニット(GPU)「Blackwell」による成長見通しを非常に楽観視しています。同氏は、エヌビディアが2024年から2025年にかけてカスタムAIチップ市場でのシェアを拡大し、業績が加速する可能性を指摘しています。
「エヌビディアは当社が最も推奨する銘柄であり、2025年後半にBlackwellの展開が本格化することで、企業価値が再評価される可能性があります」と同氏は述べています。
ムーア氏は、エヌビディアの目標株価を166ドルと設定しており、AI分野でのリーダーシップを引き続き評価しています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
ブロードコム:カスタムAIチップ設計支援による長期的成長
ブロードコムについては、2025年以降の長期的な成長機会に注目しています。同社は、大手テクノロジー企業が独自のカスタムAIチップを設計する際の支援を提供しており、その技術力が高く評価されています。
ムーア氏は、特定用途向け集積回路(ASIC)のシェア拡大は2025年にはまだ本格化しないとしつつも、長期的には期待できると述べています。また、アジアの競合企業に比べ、ブロードコムのチップ設計能力の優位性にも触れています。
目標株価は265ドルと設定されており、同社の技術革新と市場での競争力が引き続き注目されています。
*過去記事はこちら ブロードコム AVGO
アステラ・ラブズ:データセンターのボトルネック解消に貢献
アステラ・ラブズは、データセンターのデータ転送におけるボトルネックを解消する技術を持つ企業として高く評価されています。同社は、複数の製品サイクルを先取りしており、ムーア氏は「カバーする企業の中で最高の成長率を達成している」と指摘しています。
目標株価は142ドルに設定されており、同社の成長率と市場での存在感が投資家にとって大きな魅力となっています。
*過去記事「アステラ・ラブズ、決算で株価急騰!AIインフラ需要が急拡大」
AI半導体市場へのエクスポージャーを高める重要性
ムーア氏によれば、AI関連銘柄への高いエクスポージャーを維持することが、今後の投資戦略において重要であるとされています。12月20日の米国市場では13時過ぎの段階で、エヌビディアが2.51%上昇して133.96ドル、ブロードコムが4%上昇して227.11ドル、アステラ・ラブズが4.41%上昇して130.81ドルとなっています。
これら3社は、AI半導体市場における重要なプレイヤーとして、今後も注目を集めることが予想されます。投資家にとって、これらの企業の動向を注視しつつ、ポートフォリオに取り入れることが有益といえます。