テスラ(TSLA)の株価が再び急激な上昇局面を迎えつつある可能性があります。ただし、さらなる株価の上昇を実現するためには、いくつかの重要な条件が必要です。
CappThesisの創設者でありマーケット・テクニシャンであるフランク・カッペリーリ氏によれば、テスラの株価は過去2回の大規模な上昇を経験しました。2010年7月の最安値から2014年9月にかけて約1,850%の上昇を記録し、その後2019年6月から2021年11月にかけては約3,500%の上昇を達成しました。
2023年の最安値から今週にかけて、株価は約350%上昇しており、「これはテスラ株が3度目の大規模な上昇の初期段階にある可能性を示唆している」とカッペリーリ氏は指摘しています。
テスラ株価の歴史的背景
カッペリーリ氏はファンダメンタルズ(企業の基礎的要因)に基づいた分析ではなく、株価チャートや市場の動向に注目しています。同氏は投資家心理とその結果としての株価変動を研究しています。ただし、株価チャートは最終的には企業のファンダメンタルズを反映する必要があります。これまでのテスラの株価上昇は、事業の成功が裏付けとなっていました。
過去の2回の大規模な上昇時には、事業の成長が売上の見通しを押し上げ、株価の正当性が確保されました。
2010年のラリー:モデルSの時代
最初の大規模な株価上昇は、モデルSの発売に伴うものでした。この車種は、テスラが高品質で魅力的な電気自動車を製造できることを証明しました。2010年から2013年にかけての株価上昇は、ウォール街がテスラの2013年の売上予想を赤字からわずかな黒字へと上方修正した時期と一致しています。その結果、テスラは2013年に1株あたり約5セントの利益を記録しました。
2019年のラリー:モデルYの時代
2回目の株価上昇は、モデルYとモデル3が牽引しました。これらの車種は、テスラが利益を出しながら大量生産を実現できることを証明しました。2019年から2022年にかけての株価上昇は、ウォール街が2022年の1株当たり利益予想を約1.40ドルから4ドルへ引き上げた時期と重なります。テスラは2022年に1株当たり4ドル強の利益を上げました。
今後のテスラ株に必要な条件
テスラは2027年に1株あたり約5ドルの利益を上げると予想されています。しかし、この見通しをさらに上方修正することが、株価のさらなる上昇には不可欠です。市場は事業の好調を反映した売上の成長を求めています。
株価の最新動向
18日には、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が2025年の利下げについて控えめな見通しを示したことで、株式市場は急落しました。この影響で、テスラ株は8.3%下落し、終値は440.13ドルとなりました。それでも、株価は2023年の最安値から350%以上の上昇を記録しており、今週の株価も1%の上昇となっています。
2025年に向けて、テスラの株価は事業の成長や市場の期待をどのように満たすかが鍵となります。投資家は引き続き、テスラの事業動向と売上予想に注目する必要があります。
*過去記事はこちら テスラ TSLA