テスラ(TSLA)の株価は、12月11日の米国市場で6営業日連続で上昇し、424.77ドルで取引を終えました。これは株式分割調整後の史上最高値であり、2021年11月4日に記録した終値409.97ドルを上回る結果となりました。一時的には424.88ドルまで上昇し、これまでの最高値を更新しました。
この新記録は1133日ぶりの出来事であり、テスラ株が市場での信頼を再び強めていることを示しています。
消費者物価指数の発表が市場を後押し
S&P 500種指数(SPX)は11日に0.8%上昇しました。この上昇の背景には、11月のインフレ率データが市場に安心感を与えたことがあります。発表された消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.7%の上昇を記録し、エコノミストの予想と一致しました。この結果、連邦準備制度理事会(FRB)が来週基準金利を引き下げる可能性が高まったと考えられています。
テスラ株もこの市場全体の流れに乗り、さらに上昇を見せました。今年に入って約67%の株価上昇を達成しており、選挙以来の上昇率は約65%に達しています。
アナリストの見解とテスラのAIへの期待
ゴールドマン・サックスのアナリスト、マーク・デラニー氏はテスラ株の目標株価を250ドルから345ドルに引き上げました。同氏は、電気自動車市場の成長鈍化を指摘しながらも、投資家がテスラの人工知能(AI)技術に注目していることを強調しました。テスラはAIコンピューティングを活用して自動運転車の開発を進めており、2025年後半にはロボタクシーサービスを開始する計画です。
一方で、デラニー氏の評価は「ホールド」に留まっており、345ドルという目標株価は現在の株価を下回っています。このように、ウォール街のアナリストたちがテスラの勢いに追いつくのが難しい状況が続いています。
テスラ株、目標株価を大幅に上回る取引
テスラ株は現在、アナリストの目標株価平均である271ドルを50%以上も上回る価格で取引されています。この状況は一見リスクが高いようにも思えますが、テスラにとってはそれほど珍しいことではありません。過去5年間で、株価が目標株価を上回る期間は半分以上を占めています。
例えば、2020年にはテスラ株が740%以上の上昇を記録し、当時もアナリストたちはその急騰に対応するのが困難でした。今回も、ウォール街がテスラ株価に追いつこうとする様子が見られます。
テスラの次なるステップ
現在、テスラ株の目標株価の中で最も高いのは、シュティフェル・ニコラウスのアナリストであるスティーブン・ゲンガロ氏が設定した411ドルです。同氏はテスラ株を「買い」と評価しています。株価がさらに上昇を続ける中で、他のアナリストも目標株価を引き上げる動きが増えることが予想されます。
テスラは長年にわたり、市場の期待を超える成長を遂げてきました。今回の上昇が、テスラの新たな高みに向けたスタートとなる可能性が高まっています。
*過去記事はこちら テスラ TSLA