スティッチ・フィックスの株価が44%急騰、その背景とは?

  • 2024年12月12日
  • 2024年12月12日
  • BS余話

パーソナルスタイリングサービスを提供するスティッチ・フィックス(SFIX)の株価が12月11日の米国市場で急騰し、前日比で44.35%の大幅な上昇を記録しました。この動きは、予想を下回る売上減少とアクティブ顧客数の減少が発表された直後に起きたものです。

スティッチ・フィックスの株価は一時50%上昇し、6.92ドルに達しました。これは2022年8月18日以来の高値となっています。この劇的な上昇は、9月の決算報告後に記録した株価の急落とは対照的です。当時、同社の株価は40%近く下落し、同日での過去最悪の下落率を記録しました。

2025年度第1四半期の業績概要

スティッチ・フィックスの2025年度第1四半期(11月2日終了)の売上は3億1900万ドルで、前年から12.6%の減少となりました。ただし、ウォールストリートのコンセンサス予想である3億700万ドルを上回り、同社自身が予想していた範囲(3億300万ドル〜3億1000万ドル)を超える結果となっています。

一方で、アクティブ顧客数は前年同期比で19%減少し、243万人。これは、予想されていた242万人をわずかに上回る結果でした。

アナリストの評価と見解

米国みずほ証券は、スティッチ・フィックスがここ数四半期の中で最も緩やかなペースでアクティブ顧客数を減らしたことに言及しました。アナリストのデビッド・ベリンジャー氏は、「ビジネスのあらゆる主要な側面に課題がある中、早期段階での成果は前向きな兆候だ」と述べました。ただし、「まだ多くの課題が残っており、さらなる改善が求められる局面にある」とも指摘しています。同氏はスティッチ・フィックスを「アンダーパフォーム」と格付けし、目標株価を3ドルとしています。

ウィリアム・ブレアのアナリストは、秋物商品の配送と提案の質を称賛し、これが売上増加の一因となったと評価しました。同社は、寒くなるのを待ってジャケットの購入を促すのではなく、購読者のデータを活用してカスタマイズされた提案をリマインダーとともに送付する戦略を取りました。この手法が売上向上に寄与したとしています。

また、「顧客データの深いプールを活用するというモデルの利点はあるが、それを十分に引き出すのは難しい」とし、格付けを「マーケットパフォーマンス」と評価しました。

2025年度通期見通し

スティッチ・フィックスは、2025年度の通期売上予測を11億4000万ドル〜11億8000万ドルとする見通しを維持しています。今後の動向に注目が集まる中、同社がどのような戦略で課題を克服するのかが注目されます。

スティッチ・フィックスの今後の成長性を評価する上で、今回の急激な株価上昇が一時的なものであるのか、あるいは長期的な変化の兆しであるのかを見極めることが重要となっています。

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