2024年の投資テーマとして注目を集めているのが、AIデータセンターのブームとそれに伴う電力需要の増加です。このトレンドの中で、新たに注目すべき銘柄が登場しました。
エバーラス・コンストラクションの評価が上昇中
オッペンハイマーのアナリストであるイアン・ザフィーノ氏は、エンジニアリングおよび建設会社のエバーラス・コンストラクション(ECG)のカバレッジを開始し、「買い」の評価と70ドルの目標株価を設定しました。12月4日の米国市場でエバーラスの株価は2.72%上昇し、67.25ドルで取引を終えました。
同社は11月1日にMDUリソーシズ・グループ(MDU)からスピンアウトした企業であり、建設サービス業界のリーダーを目指しています。エバーラスは、送電および配電を含む電気市場でサービスを提供しており、過去12か月間の売上は約24億ドルに達しています。この数字は、エンジニアリングおよび建設会社として知られるクォンタ・サービシズ(PWR)の売上の約10分の1に相当します。
データセンターや電力インフラの需要増が追い風
ザフィーノ氏によると、エバーラスは低レバレッジと資本不足の克服を背景に、データセンターの建設、送電網の近代化、国内生産回帰、エネルギー転換などの追い風を最大限に活用できる立場にあります。同氏は、同社の税金や利息、減価償却前利益(Ebitda)が2024年の2億2700万ドルから2026年には2億4100万ドルに増加すると予測しています。
さらに、エバーラスの企業価値(EV)を2026年のEbitda予測値の約16倍と評価し、同業であるクォンタの約19倍よりも控えめな評価となっています。同社の負債比率はEbitdaの約1.3倍であり、通常2倍程度とされる業界標準以下です。この水準であれば、投資家が過剰な負債を懸念する必要は少ないと思われます。
電化トレンドに乗る他の銘柄
エバーラスは、電化のトレンドに対応する多くの銘柄の1つです。例えば、電気機器およびソフトウェアサプライヤーであるイートン(ETN)やシュナイダー・エレクトリックは、年初来でそれぞれ約57%と37%の株価上昇を記録しています。また、データセンターインフラプロバイダーであるバーティブ・ホールディングス(VRT)の株価は年初来で約173%上昇しました。
電力会社としてデータセンター運営会社と契約しているタレン・エナジー(TLN)とコンステレーション・エナジー(CEG)の株価は、それぞれ約246%、117%上昇しています。
GEベルノバの成長も注目ポイント
また、GEベルノバ(GEV)は、2024年にエネルギー転換関連銘柄として特に注目されています。同社は、4月2日にGEエアロスペースからスピンオフした企業であり、風力タービン、天然ガス発電タービン、送電・配電技術で業界トップ3の地位を占めています。
ベルノバの株価は4月以降約145%上昇し、4日には3.6%の上昇を見せて343.75ドルで取引を終えました。ウォルフ・リサーチのアナリストであるナイジェル・コー氏は、「買い」の評価と403ドルの目標株価を設定しています。同氏は、同社がエネルギー転換のリーダーとして多大な成長機会を享受していると指摘しています。
AIデータセンターと電化トレンドを投資戦略に活用
AIデータセンターの成長と電力インフラの需要増加は、2024年以降の投資における重要なテーマとして位置づけられます。エバーラス・コンストラクションやGEヴァーノバをはじめとする関連銘柄は、このトレンドに乗る有力な選択肢となりそうです。市場の成長とともに、これらの企業がどのように発展するか、引き続き注目が必要です。