セールスフォース(CRM)の最新の四半期決算が12月3日に発表されました。同社株は4日のプレマーケットで13%上昇し、373.98ドルとなり市場の注目を集めました。
第3四半期決算の概要
セールスフォースの第3四半期の調整後1株当たり利益は2.41ドルとなり、ファクトセットがまとめたアナリスト予想の2.44ドルをわずかに下回りました。一方、売上は94.4億ドルとなり、アナリスト予想の93.5億ドルを上回りました。前年同期の売上は87.2億ドルで、前年からの成長が確認されています。
また、同社の2025年度売上予想は、以前の377億ドル〜380億ドルの範囲から、378億ドル〜380億ドルへと修正されました。
エージェントフォースの役割とAI技術の進展
セールスフォースのマーク・ベニオフCEOは、「セールスフォース・プラットフォームに統合された完全なAIシステムであるエージェントフォースが、企業活動において重要な変革をもたらしている」と述べました。この自律型AIエージェントは、産業の運営方法を再構築し、労働の効率を大きく向上させるとされています。
9月には、エージェントフォースが正式に発表され、セールスやマーケティング、コマースの分野でタスク処理を効率化する機能が提供されました。10月末に本格的なサービス提供が始まりましたが、この影響が財務に現れるには数四半期が必要と見込まれています。
売上残高の成長
第3四半期において、セールスフォースの現在の残存履行義務(cRPO)は264億ドルに達しました。これは前年同期比で10%の増加であり、ウォール街の予測である261億ドルを上回る結果となりました。
AI投資の加速が業界全体に追い風
セールスフォースの発表は、他のソフトウェア企業がAIへの投資を加速させている状況の中で行われました。生成AIへの注力は、ソフトウェア業界全体に好影響をもたらしています。今年、iシェアーズ・エクスパンディッド・テクノロジー・ソフトウェア・セクターETFは約30%の上昇を記録しており、AI関連分野の成長が確認されています。
セールスフォースの決算は、同社がAI技術を活用して市場での競争力を高めていることを示しており、今後の成長が期待されています。