エヌビディア(NVDA)の株価は年初来で180%の上昇率を記録していますが、ここ最近は株価上昇の勢いがやや停滞している状況です。過去3ヶ月では28%上昇していますが、過去1ヶ月では-0.9%とマイナスを記録しています。
エヌビディアの株価上昇には何が必要か?
エヌビディアの最近の株価低迷は、最新の決算報告が影響しています。市場は、人工知能(AI)プロセッサ「Blackwell」の販売強化に関するさらなる詳細を期待していました。同社の株価がさらに上昇するためには、AIチップの供給を需要に見合うよう増加させ、競合他社に先んじて販売を確保する必要があります。
もしこれが実現すれば、エヌビディアの株価は来年どこまで上昇する可能性があるでしょうか?サクソバンクは、2025年にエヌビディアの株価が250ドルを超える可能性があると予測しています。これは現在の株価から約80%の上昇を意味します。
サクソバンクの予測とその背景
サクソバンクのチーフ・マクロストラテジストであるジョン・J・ハーディ氏は、この予測を「突飛な予測」としつつ、次のように述べています。
「Blackwellチップに対する需要が尽きることなく、より高性能かつ省電力の設計によって、エヌビディアは史上最も収益性の高い企業としての地位を確立します。これにより、2025年にはアップル(AAPL)が記録した1050億ドルの売上を簡単に超え、成長期待の高さから時価総額も再び倍増し、アップルの2倍の規模に達するでしょう。」
この予測は公式な予測ではなく、サクソバンクが毎年発表する「起こる可能性が極めて低いが、起こり得る」シナリオの1つとして提示されたものです。これほど極端ではありませんが、それでもウォール街はエヌビディアのさらなる成長を概ね楽観視しています。
アナリストの目標株価と現在の株価水準
ファクトセットによると、アナリストのエヌビディア株の平均目標価格は170.16ドルで、現在の取引価格から23%の上昇が見込まれています。また、エヌビディアの将来予想株価収益率(PER)は約33倍となっており、過去5年間の平均値である40倍を下回っています。
エヌビディアが来年以降も成長を続けるためには、供給体制の強化や競合との差別化が鍵となりそうです。最新技術を武器にした成長戦略が市場でどのように評価されるのか、引き続き注目が集まっています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA