テスラ(TSLA)は、次期大統領のドナルド・トランプ氏が自動運転車のための連邦政府の枠組みを目指すという報道を受け、11月18日の米国市場で急騰しました。電気自動車(EV)のリーダーである同社の株価は、朝早くの取引で 8% 上昇 し、346.50ドルを記録しました。このニュースは、テスラ株への期待がさらに高まる契機となっています。
この記事では、この株価上昇の背景にある政策や市場の反応、そしてテスラの今後の展望について詳しく解説します。
トランプ政権と自動運転車政策の関係性
トランプ氏は、自動運転車の発展を促進するために、連邦政府の統一的な規制枠組みを創設する意向を示しています。これにより、自動運転車のライセンス取得が容易になり、州境を越えた運行が可能になると期待されています。
ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は、「これは規制緩和に向けた大きな前進であり、2025年に向けたテスラのAIおよび自律走行技術の進展にとって強力な追い風となる」と述べています。
この政策が実現すれば、テスラが計画する 2025年後半の自動運転タクシーサービス開始 を後押しすると考えられます。
テスラの株価とアナリストの見解
18日の株価上昇は、トランプ氏の勝利がテスラにとって追い風となるという市場の期待感を反映しています。今年に入り、テスラの株価は約 29% 上昇。11月5日の選挙以降だけでも 28% の急騰 を見せています。
さらに、内容はさまざまですが、アナリストたちもテスラの将来性を評価しています。
- ダン・アイブス氏
テスラ株を「買い」と評価し、目標株価を 400ドル に設定。トランプ大統領との協力関係がテスラの成長を後押しすると分析しています。 - バークレイズのダン・レヴィー氏
テスラ株の目標株価を 235ドルから275ドルに引き上げ。ただし、格付けは「ホールド」のまま維持しています。自動運転政策がテスラの取り組みに恩恵を与えるものの、評価を大きく変えるには至らないと述べています。
自動運転とEV市場への影響
トランプ政権の政策は、自動運転車の法制化を推進する一方で、EV業界に課題ももたらす可能性があります。先週末、ロイター通信は、トランプ政権が EV購入税額控除の廃止 を検討していると報じました。この動きは、EV市場全体の成長に逆風となる可能性があります。
しかし、多くのアナリストは、テスラのようなコスト構造とグローバルな展開力を持つ企業への影響は限定的であると考えています。
テスラは買い時か?
テスラの株価上昇は、同社のAI技術、自動運転タクシー計画、そしてトランプ政権との戦略的提携の成果が評価されていることを示しています。目標株価がアナリストごとに異なる中、長期的な成長ポテンシャルを見据えた「買い」の戦略が支持されています。
特に、連邦政府の規制枠組みの整備が実現すれば、テスラの技術的優位性が一層際立つことが期待されています。2025年の自動運転タクシーサービスの開始に向けた準備も順調に進んでおり、テスラの取り組みがさらに具体化していくと予測されます。
まとめ
テスラ株の急騰は、トランプ政権の政策が市場に与える影響の典型例といえます。自動運転車の法制化や規制緩和は、テスラにとって追い風となる一方で、EV購入税額控除廃止の動きには注意が必要です。
テスラは今後も成長を続ける可能性が高く、投資家にとって魅力的な選択肢となりそうです。テスラ株への投資を検討している方は、引き続き政策動向や市場の反応を注視することが求められます。
*過去記事はこちら テスラ TSLA