今週注目!クラウド・半導体セクターの最新四半期決算とAI投資の行方

今週は、クラウドコンピューティング大手が四半期決算を発表する週として、半導体およびAI関連投資家にとって非常に重要な1週間となっています。グーグルの親会社であるアルファベット(GOOG, GOOGL)が10月29日の市場終了後に決算発表の先陣を切り、30日にはメタ・プラットフォームズ(META)とマイクロソフト(MSFT)、さらに31日にはアマゾン・ドット・コム(AMZN)が続きます。

これらクラウド企業の四半期決算は、AI技術の成長とROI(投資収益率)に対する期待を大きく左右するため、注目度が非常に高くなっています。特に投資家が注目すべきは、クラウド成長率と来期以降の資本支出の見通しです。

クラウド成長とAI投資の行方

米国の投資アドバイザリー会社であるメリアス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏によると、クラウド事業の成長率が「AIのROIに対する認識を形成する」鍵となると述べています。同氏の予測によれば、アルファベットは31%、アマゾンは19%、マイクロソフトは33%の成長が期待されています。

一方で、クラウド企業はAI分野に莫大な資金を投入していますが、いまだROIの面で不透明さが残るため、一部の懐疑論者は将来的なリターンを懸念しています。企業がAIへの投資を継続するには、競合に遅れを取らないようにするだけでなく、将来的には明確な収益を見込むことが不可欠です。これはAI用半導体などのサプライチェーンに直接関与するエヌビディア(NVDA)のような企業にも影響を及ぼす要因です。

エヌビディアと次世代チップ「Blackwell」

エヌビディアの最新チップ「Blackwell」は2025年に向けて重要な収益源として期待されています。ライツェス氏は、「大手クラウド企業がエヌビディアのBlackwellに対して強い支出意向を持っていると考えられるが、現時点での支出上限は限られている」と述べ、エヌビディアが今後もクラウド企業からの需要を見込めることを指摘しています。今週の決算では、Blackwellに関連する設備投資が2024年第4四半期、さらには2025年に延期されるかが注目されます。

各クラウド企業の決算とその意義

アルファベットのクラウド成長と資本支出見通し

まず29日の決算発表を予定しているアルファベットは、今後の資本支出計画により市場全体の動向を示す役割を果たします。ライツェス氏は、アルファベットの来年度の資本支出が増加すると予測しつつ、さらに1四半期ほど予測が上方修正されるかは不透明であると指摘しています。また、アルファベットのクラウド事業は、同社の次世代大型言語モデルのトレーニングに大きく依存しており、特にブロードコム(AVGO)が恩恵を受ける可能性が高いと予想されます。

マイクロソフトと資本支出の調整

マイクロソフトは、前回の電話会議で今後の支出増大について語っていましたが、今回は上方修正を一時停止する可能性があるとライツェス氏は指摘しています。同社のクラウド事業の成長が引き続き注目される中で、AI関連の支出に関する最新の動向も投資家にとって重要なポイントです。

アマゾンとAWSの成長維持

最後に31日に決算発表を行うアマゾンですが、クラウド部門であるAWSの成長を維持するためには、エヌビディアのBlackwellチップが「本当に必要」と言われています。AI分野での投資を加速させることにより、AWSの成長がさらに加速するかどうかが焦点となります。

投資家へのインパクトと注目点

今週の決算は、AI分野の将来の収益性を測るうえで重要な指標となります。AI技術への投資がクラウド事業にどのような影響を及ぼしているか、また、将来的な資本支出がどれだけの規模で計画されているかを見極めることは、投資家にとって非常に重要です。特に、エヌビディアのBlackwellチップの進展やクラウド企業の資本支出計画が、今後の半導体およびAIハードウェアセクターにどのような影響を及ぼすかを注視する必要があります。

今週のクラウド大手の決算発表は、AIブームの持続性を示す重要なテストケースとなり、特に半導体投資家にとって、今後の投資判断を左右するポイントとなりそうです。

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