ラム・リサーチの魅力と成長ポテンシャル:AIチップ市場で輝く半導体製造装置銘柄

  • 2024年10月14日
  • 2024年10月14日
  • BS余話

半導体市場は、AIチップとメモリの需要増加により大きな変革を迎えています。この分野で、特に注目されるのがラム・リサーチ(LRCX)です。競争優位性を持つ半導体製造装置メーカーとして、ラム・リサーチは投資家にとって非常に有望な選択肢となっています。この記事では、ラム・リサーチの成長の鍵となるポイントと、今後の投資チャンスについて詳しく解説します。

ラム・リサーチの基本情報:株式分割と配当増額

ラム・リサーチは、2024年に10対1の株式分割を実施し、さらに15%の配当増額を発表しました。この動きは、株主への利益還元と株価の魅力を高める重要なステップです。株価は一時急騰しましたが、夏場には他の半導体銘柄とともに売りが進みました。株価は昨年7月の高値から約29%下落しており、現在の収益予想に対する株価収益率(PER)は約23倍と割安感が漂っています。

垂直型チップ技術でリードするラム・リサーチ

ラム・リサーチは、特に垂直構造を持つチップ技術に強みを持っています。同社のエッチングおよび蒸着装置は、チップのトランジスタやエレメントを垂直に積み重ねる技術を支え、NANDフラッシュ業界や最新のAI向けロジックチップにおいて重要な役割を果たしています。

近年、NANDフラッシュメモリは過剰供給に直面していましたが、AIやCPU、GPUといった先端ロジックチップ、さらにはDRAMメモリにも垂直構造の導入が進んでいます。ラム・リサーチの技術は、これらの次世代チップの生産を効率化し、市場での競争力を高めています。

AI向けDRAMとHBMの需要増加による成長加速

特に注目すべきは、AIアプリケーションにおける高帯域幅メモリ(HBM)の需要増加です。HBMは、AI向けのDRAMチップの垂直構造であるシリコン貫通電極(TSV)技術を用いており、ラム・リサーチの装置がその生産を支えています。HBMは、ダイサイズが大きいためウェハ当たりのチップ数が減少しますが、その結果、ウェハの拡張や製造装置の需要が増加します。これにより、ラム・リサーチの装置への需要はさらに拡大していく見込みです。

GAAトランジスタの採用と未来の成長

ラム・リサーチのもう一つの大きな成長ドライバーは、ゲート・オール・アラウンド(GAA)トランジスタ技術です。これは、来年から導入が進む2nmノードに対応するロジックチップの新しいトランジスタアーキテクチャです。GAAトランジスタは従来の技術に比べて性能が向上し、より高密度な回路設計が可能です。ラム・リサーチは、GAA技術をサポートする原子層蒸着ツールを提供しており、この市場でのリーダーシップを確立しています。

2024年にはGAAトランジスタの採用が加速し、ラム・リサーチはこの分野から約10億ドルの追加売上を見込んでいます。さらに、2025年にはより大きな成長が期待されており、投資家にとって大きな利益をもたらす可能性があります。

NANDフラッシュの復調と長期的な成長見込み

NANDフラッシュ部門においても、ラム・リサーチは今後の成長が期待されます。市場の供給過剰が続いていたNAND業界ですが、AI向け技術の導入が進む中で投資の拡大が予想されます。NANDフラッシュ装置への需要が再び高まることで、ラム・リサーチの収益基盤はさらに強固なものとなります。

ラム・リサーチの将来:半導体装置分野でのリーダーシップ

AI向け技術の急速な普及により、ラム・リサーチの装置は今後数年間、需要が増加していくと見込まれます。特にHBMやGAAトランジスタの分野でのリーダーシップは、同社の成長を支える重要な要素です。また、NANDフラッシュ市場の回復もラム・リサーチにとって追い風となります。

競争が激化する半導体装置市場においても、ラム・リサーチはその技術力と市場シェアの拡大によって、投資家にとって魅力的な銘柄であり続けると言えそうです。

*過去記事「『マグニフィセント・セブン』は過去の話?今狙うべき7つの成長株

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